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クソだらぁ

ダンダダンに登場する妖怪ターボババアの口癖、決め台詞である。
とても善いなと思った。事あるごとに言いたくなる。言いたくなるオブザイヤー受賞である。誰の。

クソだらぁ!と叫びきってしまうのも善いし、クソだらぁ…と口の中で呟くのも善い。強弱の付け方が自由なのだ。
怒りに委せて。思い出し笑い中。照れはにかみながら。拗ねつつ。ドキドキの合間。全部いける。

すごい言葉を作ったものだ。感動して尊敬する。
もともとの意味を考える。
クソ+だらぁ。なのでバカ野郎とかアホンダラとかに近いものだと思うが、その線でいくと①『敵・自分の意に反する者に対しての、攻撃的で悪意のこもった呼び掛け』くらいだろうか。または怠い+クソで、クソ怠いから派生したものだとすると②『この上なく嫌だ。面倒くさい』かもしれない。
作中では①でも②でも使われていて、さらに口癖でもあるから、どんな意味でも込められる万能な言葉となっている。
語源や由来については造語であるため作者に聞いてみないとわからないのだが、あほんだらを推したい。漢字もあるよ。阿呆陀羅。


《おいウゾー》
〈なんだムゾー〉
《テラコッタさんがさー、ここの壁はやっぱり緑色にしてほしいって。》
〈クソだらぁ!いまさらそんなことできっかよ!もう塗り始めちまっているよ。〉
《そうなんだよなー。おいらもそう言ったんだけどさー、どうしてもここは緑にしたいんだって。》
〈クソだらぁ…気持ちはわかるよ。せっかくなら好きな色に囲まれて生きていたいもんだ。〉
《だろう?それにテラコッタさん、前に塗った朱色をすごく喜んでくれたじゃん。さっきもそのお礼を言われてさ。》
〈ふむ。そうか…おいらも会う度にあの時の朱色はすごく素敵だって褒められる。〉
《ね。ウゾー。やろうよ、緑色。おいらも手伝うからさ。》
〈・・・クソだらぁ。〉


あるいは。

《ねえ、ゾーイー。来週の日曜日どこへお出掛けするか決めた?》
〈やあ、フラニー。それがさあ、急遽部長のクリケット大会の応援を頼まれて、行けなくなっちゃったんだよね。〉
《あー。…そうなんだ。それなら仕方ないよね。また次を楽しみにしよう。ちょうど今年は紅葉も遅れているみたいだし。(もう、ゾーイーのクソだらぁ)》
〈本当にごめんね。あんなに楽しみにしていたのに。〉
《ううん、全然。気にしないで。》
〈フラニー。カーテンを開けてみて。〉
《うん?開けたけれど、今日は曇っていてお月さまも見えないわ。昨日はあんなに・・・まあ!ゾーイー!》
〈へへへ。来ちゃった。少し寒いけれど、星見の台へ行こうよ。あそこならきっとお月さまも見える。〉
《ッ・・・。(もう、ゾーイーのクソだらぁ)》


ね。

そういう言葉を生み出す人達に憧れる。
だから一個ずつ借りてきた言葉を返すのである。




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