生活インフラの維持
こんにちは。
私は百貨店の地下にある洋菓子店で、販売員としてアルバイトをしています。
昨今の状況で、1週間ほど前から食品フロア以外は閉店となりました。
そういう状況になって初めてバイトに行きました。
駅から出て見上げた、照明のついていない百貨店2階フロア。
人のいない従業員専用ロッカー。
商品の上に布が掛けられたままの化粧品売り場。
「本当に閉店しているんだ…」
少し寂しい気持ちになりながら、地下1階へ。
すると、そこには普段より少ないものの買い物に来てくださっているお客様の姿がありました。
「ここはあまり変わっていなかった…」
ほっと胸を撫で下ろしながら、いつものように接客をしていました。
あるお客様のお言葉、
「大変なことになっちゃったわねえ。でも私ここのお菓子大好きなのよ。」
どきん。
このような大変な状況の中、私たちのお菓子を心待ちにしているお客様がいるんだ
私は胸が熱くなりました。
それと同時に百貨店の店長のお言葉を思い出しました。
「私たちは、お客様の生活インフラを維持するために、食品フロアの営業を続けます。従業員の皆様も不安に思うこともあるかもしれませんが、皆さんで協力して普段と変わらない安心を届けましょう」
この決断を下すことは難しかったと思う。
しかし、お客様のことを第一に考えたとき、私の所属するお店は食品フロアだけでも営業することが大切だった。
なぜなら、周辺に住むお客様が毎日食材を求めてたくさんいらっしゃるからだ。
自粛規制がかかっている中でも、お客様の生活インフラは維持し続ける。
そして、少しでも安心を届ける。
私は、ここで働く意義を改めて実感することができた。
これはとても良い経験だったと思う。
「来てくださるお客様に感謝し、心からの笑顔と、素敵なお菓子を提供する。」
この気持ちを胸に置いて、
今日も、これからも。
2020.04.20 Koki