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#226 夜の電車
金曜日の夜、孫のりかこを連れて、私と妻はホタルを見に行った(#225 ホタル)。まだ飛び始めたばかりで、肌寒い夜だった。
田んぼの上には、数匹の蛍が飛んでいた。カエルが激しく鳴いていた。
先日の雨で水かさの増した農業用水路にもホタルが飛んでいた。
水路からの水が流れ込む小川の付近で、ホタルが多く飛び交っていた。小川の水面(みなも)からも、ホタルの光が映っていた。ほたるは、ゆっくりと飛んでいた。私たちは、しばらくホタルを眺めていた。
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田んぼの向こうから、カランカランと踏切りの警報機の音がしてきた。西のほうから来た電車は、田んぼの水面(みなも)に影を映しながら、踏切りに近づいてきた。
その後電車は、低い音を立てて鉄橋を渡り、遠くに走り去って行った。