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#224 植え付けこもり(籠り)

 6月になると、私たちの村では、お寺神社に会費(年貢)をもっていくことになっている。
 そして、その日の夕方には、神社で作付け籠りがある。

 籠りは、自由参加で、自分の飲み物と食べ物だけを持ってくる。籠りには、古くは、今年の豊作を祈願するとともに、田植えを終えた大人たちが集まって、ご苦労さん会をしたものと思われる。私も、親と一緒に行って、子ども同士神社の境内で集まって遊んだ記憶もある。

 今は、農業に従事する人に関わらず人々の情報交換の機会になっている。
 会場では、神社に供えたお神酒(お酒)を飲む。その後は、食べながら、お酒を飲み談笑する。その後、酒を飲み交わしたり、何人かが集まって談笑することもある。

 先日の大雨のことが話題になった。あそこの溝がよくつまり、水が溢れ出すなどの話があった。別のところでは、今年の玉ねぎの出来具合の話があった。その中で、獣害の被害で困っている話も出てきた。これから植えるおくらや赤しそなど野菜の苗をくれるという話もあった。

 高齢化する私たちの村には、深刻な問題もある。
 しかし、この会は、いろいろな情報を交換する、地域の親睦会だ。

#ふるさとを語ろう

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