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表現者

小西真奈美さん。

私が長年敬愛するアーティストだ。

最初は、ただ単純に容姿が好みで、

「あの女優が好き」

「この女優が好き」

この程度のミーハーな感覚で彼女をテレビ越しに見ていた。

あるとき、書店で彼女が書いたエッセイ集『手紙』を手に取った。

女優という華やかな世界とは縁遠く感じる、小さな気付きが詰まった本だった。

彼女の中で流れるもうひとつの時間。

質素で慎ましやかで、帯に書かれた通り、凛としていた。

以来、表現者として彼女のファンになった。

人生で唯一、人物の写真集を購入したのも彼女だ。

そんな小西真奈美さん(以外、真奈美さんと書きます)がインスタグラムで、定期的にインスタライブを行っている。

別の時間軸で生きていたはずの彼女に、スマホ越しだが生で出会える。

驚嘆しつつも、大喜びで毎回ワクワクしながら観ている。

好きなアーティストのラジオを聴いていた感覚に近いかもしれない。

インスタライブはコメントをリアルタイムで投稿でき、あわよくばそのメッセージを本人に見てもらえる。

これも、ラジオに近い気がする。

いつもは見ているだけだったが、先日意を決してコメントを打ってみた。

それは、

「憧れのブルーノートのステージに初めて立った感想はどうでしたか?」

というもの。

このインスタライブの前日、真奈美さんはブルーノート東京で人生初単独ライブの収録を行っていた。

東京、南青山にあるBLUE NOTE TOKYOは、言わずもがなジャズの聖地。

ミュージシャンを志すものは、誰もが知っているであろう老舗のジャズクラブだ。

私も、22年間ハードコア・パンクの聖地、札幌KLUB COUNTER ACTIONのステージに初めて立った。

SLANG、COWPERS、bloodthirsty buchers、eastern youth、はたまたFUGAZIに至るまで。

憧れのミュージシャンと同じステージ。

血と汗と酒とすべてを吸収し、踏み固められ、きれぎれになったカーペット。

そこに明滅する赤と黄色の光。

あのステージに立てた特別な感覚は、今でもはっきりと覚えている。

ブルーノートのステージに立った彼女が感じた感覚は、どのようなものだったのだろう。

案の定、私の投稿したコメントは他のコメントとともに滝のように流され、埋没していく。

と、その時!

真奈美さんが滝の中から、なんと私のコメントを掬い上げてくれたのだ!

ラジオ前の、昭和の中学生みたいにガッツポーズで興奮する40歳、笑。

うーん。としばらく考え込む真奈美さん。

そして、ゆっくりとご自身の言葉で感じたことを伝えてくれた。



今日、新しいアルバムがリリースされ、ブルーノート初ライブが公開となる。

そこにはどんな言葉が詰まっているだろうか。

今から楽しみで仕方がない。

http://www.bluenote.co.jp/jp/lp/manami-konishi-2020/

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