高階秀爾さんの著作
西洋美術に関心のある人なら高階秀爾氏の名前は誰でも知っているし、その著作を読んだことのある人も多いだろう。世の中には名が知れていたり多くの著作があったりしても、その人の著作を読んでみるとイマイチであることはしばしばあるが、高階秀爾さんの著作に関してはそのようなことはまったくなく、その著作は素晴らしい名著で溢れている。非常に明快かつ知的な文章で読者の美術に関する理解を助けてくれる、それが高階秀爾さんの著作である。「西洋美術に関する深くて豊かな理解、学識、教養を得たいのならば、高階秀爾さんの著作を、そこに書かれていることのすべてを自らの血肉とするのだという気持ちで徹底的に熟読するのが良い」というのは私の中で絶対の確信として存在している。そうすることで西洋美術に対しての思考の解像度は確実に上がるだろう。とりわけ私が愛読しているのは『フランス絵画史』『バロックの光と闇』の2冊(ともに講談社学術文庫)である。西洋美術を学びたい人はまずは高階秀爾さんの著作を手にとって見るのが良い。
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