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Meltが生まれるまで
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はじめまして、フレグランスブランドMeltを運営している株式会社八雲の日髙弘喜と申します。このnoteでは、フレグランスブランドMeltができるまでの軌跡を記していけたらなと思っています。思いつくことをざーっと書くスタイルなので、読みづらかったり、内容がカオスになっていた場合は優しくご指摘いただけると嬉しいです。
株式会社八雲って?
Meltの話をする前に、八雲について説明させてください。
株式会社八雲は2020年10月15日に、友達5人で立ち上げました。
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正直こういう世界を作りたいなど美しい美学は何もなく、社長になりてえ、友達と面白いことしたい!!といった気持から始めた会社です。
私は学生時代、3年生までバイトとカラオケと漫画にフルコミットしていたので、キャリア?なんそれ?という考えの持ち主でした。そこからとあるきっかけで、世界を作っていく社長ってすげえ!こうなりてえ!!と思い、まずは自分なりの価値観を作るため学生団体に所属し活動を始めました。
自分自身が3年生まで何も考えてこなかったことを後悔していた僕は、同じような思いをする人を減らしたいという気持ちから、キャリア支援を学生団体の中で始めました。
知見を広げることが正義で、自分なりの生き方をしているほうがカッコイイと思っていた僕は必死にその思想を広げる活動をしていました。
書き忘れていましたが、私は鹿児島の大学に通っていたので、鹿児島の学生に向けてその活動を行っていました。共感してくれる人もいて、チームを作り、企業を巻き込んで合同説明会を運営したりしていました。
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その活動を通して少しづつお金も稼げて来た僕は、冒頭にあるように友達と割と軽い気持ちで会社を立ち上げました。
会社を立ち上げた後は、学生時代と同じように合同説明会を開催し、何とか会社を運営していました。でも幾度も合同説明会を開催して感じたのは、学生とも企業とも、ライトなお付き合いしかできていないな・・という思いでした。
合同説明会はあくまで場を作るだけで、僕たちが出しているバリューはほとんど集客じゃないのか?そんなことを考えるとなんだかやるせない気持ちになりました。
じゃあ採用支援にフルコミットするか?
これはめちゃくちゃ悩みました。確かに自分の中にある課題感を解決するならそれがいいだろうし、会社的にもキャッシュを生みだしやすい。でもこれを僕はしたくありませんでした。
小さい頃から引っ込み思案だった私は、人の価値観の中でも大きな部分を占めるキャリア観に対して自ら影響を与えたくはなかったんです。この人にとって何か悪い結末に繋がったらどうしよう・・・みたいなことを考えてしまうので。
もちろんこれには色んなご意見があると思うのですが、あくまで私の感覚の中でどうも自分は人材事業にはなじめないだろうと感じていました。
これまで自分を応援してくださった方や、イベントに参加してくださった方を裏切ってしまうことになる・・・と思いながら、人材事業を閉じる決断をしました。
このタイミングは正直ちょっときつい時期でした。
自分は何の為に会社をしてるのか。結局やることに責任を持てないで、甘えてるだけだろう。裏切ってばかりの人生か・・・
ずーっとこんなことを考えていました。
でも、応援してくれる人や一緒に立ち上げた友人の存在に助けられ、いっちょ気合入れてやりましょか!と動き始めたのは2021年の終わりでした。
そこからは八雲が存在する意味について問い続けました。
そして決めた会社の理念は、
「生きるを耕す」 でした。
その人の"生きる"という活動において、何かいいきっかけを与えることをする。これが八雲が存在する意味だと決めました。
正直、社会の現実と向き合うことを恐れているかもしれない、自分のコンプレックスが故の言葉選びだろうな~と感じてはいるのですが、これが今の自分にとって精一杯の覚悟でした。だから今後はもっと言葉が精査され、進化していくと思っています。
Meltのはじまり
長々と書いてしまったのですが、ようやくMeltのはじまりについてです。
「生きるを耕す」というMISSIONを定め、これから何をしていくか・・・
悩みました。
とりあえず、自分が生きていく中で影響を受けたものを考えてみると「香り」が大きな割合を占めていることに気づきました。
僕とフレグランス
宮崎の田舎で生まれた僕は、野焼きや菜の花、雨上がりや隣の家のカレー。いろんな香りに囲まれて育ちました。
小さい頃から香りには敏感で、春夏秋冬それぞれで香りが変わった日に一目散に親に「春だ!!!春が来た!!」と報告したことを覚えています。
小さい頃から体が小さく、いじめられっ子だった僕は、ある意味香りが自分だけの特別なもので、それを救いに生きていた部分がありました。
なので、今でも色んな香りを嗅ぐと日常のワンシーンが再現されて、よく感傷に浸ってしまいます。
そんなことを思い出して、そうだ!フレグランスブランドをやろうと決めました。(ちゃんと色々考えて決めてますよ、突発的なだけじゃないですからね)
直接人の人生を左右するような仕事はどうも向いてないけれど、間接的に人生の一部を彩れる香りはめちゃくちゃいいぞ!!と思ったんです。
たどり着いたのは「お香」
そこからはフレグランスの商品をめちゃくちゃ見ました。目でも鼻でも。
そしてたどり着いたのは「お香」でした。
正直僕も家でお香なんてほとんど使ったことはなく、古着屋やチャイハネにおいてあるイメージでした。もしくはお線香。
でも国内で生産されたお香を香った瞬間、感動しました。どこか懐かしさがありつつ、洗練された香りは、道端で金木犀を香った時のあのうおおおおお!!!って感じの感覚を与えてくれました。
こんなにすんばらしい香りがあるのに、使ってる人が少ないのはもったいない!!!絶対にお香は流行る!と確信しました。そこから八雲お香計画が立ち上がりました。
とはいえ、鹿児島で体験できるお香は一握り。ネットで買っても香りがわかるだけでお香について知れることは少ない。そう思った僕は、友人を一人連れてお香の旅に出ました。
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日本の7割のお香を生産している淡路島や、長い歴史を持つ京都や大阪の会社、最近立ち上げたちょっと尖ったお香ブランドなど色んな所を回りました。
レジの店員さんや受付の方とはお話できても、お香を深く知る事はなかなかできませんでした。もう無理か・・・と思った矢先に、薫寿堂様からメールが返ってきて、営業部長様、調香師の方とお話することができました!!!!
お香業界の事、調香についてなどいろいろなことを知ることができて、最高の旅になりました。この旅の後からいよいよMeltが始まります。
Meltいよいよ始動
お香を作ることは決まったけれど、どんなブランドにするのか?どんなお香を作るのか?この問いは僕を悩ませました。
お香自体に魅力があっても、それがしっかり伝わらないといけない・・・
そもそもなんでお香って広がってないんだろう???
まずはユーザーインタビューです。
お香を使っている人は、「時間が感じられる。」「香りが好き」「部屋がエモくなる」「その日の気分で香りを選べる」といった理由で使っているようでした。
逆に使っていない人は、「火がちょっと・・・」「線香っぽいんでしょ?」「どのタイミングで使うのか分かんない」「お香使ってみたいけど、自分には敷居高い」という理由でした。
ユーザーインタビューを通して、私たちがやらなきゃいけないことは、ルームフレグランスとしてお香を当たり前に使う文化を作る事だと感じました。今はあくまでお香への距離が遠く、特別な人が使っている物なんだなと。
そして、それを実現するにはいかにお香へのハードルを下げるかが大事でした。
お香のハードル
①火が心配
お香は燃焼する事で香りが生まれます。
これは下げられないハードルです…泣
②線香ぽさ
これはイメージの問題です。線香ぽさは漢方香料と呼ばれる香料がメインなのですが、最近はフレグランスの香料を混ぜた華やかな香りのお香もあるのでイメージを変えちゃえばOKです。
③どのタイミングで使うのか
売られているお香はほとんどが使っている香りの名前です。もしくはイメージしてるシーン。
例)金木犀、ローズ、滝、舞妓など
どんなタイミングで使うかという訴求をした製品はなかなかありません。
④敷居の高さ
お香は「丁寧な暮らし」「オシャレ好き」といったハッシュタグで良く拡散される通り少し敷居が高いアイテムです。パッケージにしても、ザ・日本って感じのデザインや白黒の高級感あるデザインで、親しみやすさよりどちらかというと特別なものといったイメージを持ってしまいます。
なので私たちのブランドでは、日常的にお香を使う文化を醸成するため
・どんな時にどんな香りを使うのかをこちらから訴求する
・親しみやすいデザインでお香の敷居を下げること
の2点に力を入れることに決めました。
Meltのconcept
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商品をどんな特徴にするか決めた後は、ブランド自体のコンセプトです。
自分自身がブランドを通して体現したい価値は何か?
これは結構な時間がかかりました。色んな人にも相談させていただきました。
その中で「何であなたは香りが好きなの?」と聞かれたことがきっかけでコンセプトが生まれます。
香りが好きな理由・・・
それは、香った瞬間の自分だけに分かる、えもいえぬ快感です。
秋の道端で香る金木犀や雨上がりの道路の匂いなど、香った瞬間に「きたきたきた~」と没入してしまうあの快感。
それが自分にとって"生"を生々しく実感できる体験だからこそ、香りが好きなんだなと気づきました。
そんな快感を暮らしの中に作ろう!!
この想いから、「香りとろける」という言葉が生まれました。
そしてMeltというブランドネームが決まりました。
そこからは語感を整え、
コンセプトである「香りとろける、Meltな時間。」が完成しました。
Meltが形になった
コンセプトが完成し、商品の特徴がある程度固まったら細部を詰める番です。
上記のとおりMeltは、「どんな時にどんな香りを選べばいいかイメージさせる」「お香の敷居を下げるデザイン」を大事にすることを決めていました。
そこでMeltのお香は以下の2つを特徴にしました。
①なりたい気分で香りをチョイスする
②気分を可視化するPOPなイラストパッケージ
①なりたい気分で香りをチョイスする
自分がその時使う香りを決める基準にしているは何かを考えると、「どんな気分になりたいか」でした。冬のちょっと凍えた気分に温かさを足したいときはウッドやムスク系の香りだし、朝起きて一日の元気を養おうとするときはオーシャンやシトラス系です。そこで、Meltのお香は「なりたい気分で香りをチョイスする」という特徴を押し出すことにしました。
②気分を可視化するPOPなイラストパッケージ
どうしても敷居が高く感じてしまうお香。そのイメージを変えるためにPOPさを表現したいなと思っていました。でもPOPすぎると安っぽくて使いたいと思わない・・・このジレンマの中で、商品のコンセプト「なりたい気分」をイラスト化してパッケージに入れればいいのでは?という神のお告げがありこのパッケージができました。
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こうしてMeltは誕生し、商品完成まで至りました。
ここまでの文章は、あくまでなぜ自分がフレグランスブランド立ち上げに至ったのか、Meltのコンセプトや商品はどのように生まれたのかという部分を語らせていただきました。
ここからデザインを作ったり、パッケージ会社を探して形にしたり。お香を作ったり。そんな実務の部分が始まるのですが、それを書くとめちゃくちゃ長くなりそうなので、その機会はまた別に用意させて頂こうかと思います。
最初らへんはある程度整理しながらかけたのですが、その後は脳が疲れたのかザーッと書きなぐる感じになってしまったのでちょっと読みにくいかもしれません。最初に書いたように優しく伝えてくれると嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
まだまだ至らぬ私ですが、これからもっとおもれえ男になりますので、応援していただけると嬉しいです。
日高