東京生活10年を振り返る・その⑤-1 ドラムレッスン開始、メンヘラ彼女が出て行ってバンド崩壊編

過去に一回だけインスタでつぶやいたことがあるが、自律神経失調症でもう7年くらい心療内科に通っている。まだ治ってない。

自律神経失調症というのは厳密には病気ではなく、自律神経のコントロールが効かないために起こる、体の様々な不調、といったものである。花粉症だって、「症」がついてるけど病気ではないよね。免疫が過剰反応しているだけで。

病気ではない、とはいっても、動悸・不眠・不安・のどのつかえなど、実際に体調に異変が起こるわけだから、見過ごせるものではない。

ではなぜ俺は自律神経失調症になったのか。端的に言えば「体が壊れるまでドラム練習をしてしまったから」である。ではなぜ体が壊れるまで練習するようになってしまったのか。

そのきっかけとなる出来事を思い出していく。

ドラムレッスン開始

21歳か22歳のとき、どうしても上の世界に行きたいと思った俺は、「このまま独学でドラムを進めるのはまずい」と思い、プロドラマーに弟子入りすることにした。

元々、中学・高校の部活動を通じて、「本人の意思・努力より指導者の実力の方が大事」だと知っていたからだ。意味のない練習を一生懸命やっても報われないんだ、悲しいことに。

縁があってガチンコのプロドラマーと知り合うことができた。ガチンコのプロドラマーというのは、例えば誰もが知っているシンガーソングライターをサポートしたり、Mステに出たりするレベル(迷惑がかからないように名前は控える)。

ここで上の世界のドラミングを知ってしまったことも、結果として俺という人間が壊れるきっかけになってしまった。

初回で「1960年代のドラムだね」と評される

レッスンが始まって、本当に一から、スティックの握り方からやり直すことになった。初回は自分のバンドの曲を叩いて、それを観てもらうだけ。

「うーん、青柳くんのドラミングは60年代っぽいね、現代のドラミングでは、ダイナミクスコントロールをするときはキックとスネアの音量は変えずに、刻み物の音量を変えるんだよ」

この発言は一生忘れないと思う、感動というか、なんというか、「先生だ…」って思った。

やる気が出てきた。一生懸命やるぞと。

最初半年はスティックとスネアしか使わなかった

俺がプロドラマーになりたいということを知っていたからか、基礎を徹底的にやった。

最初半年はスネアだけを使ってフォーム矯正・スティックコントロールのみやった。ダウン・アップ・タップ・シングル・ダブル・フラム…と順番に。

やったことがないものをやるわけだから、充実感でいっぱいだった。ここで培ったものが、今でも大事な財産として残っている。

世界のレベルを知ることで凹むことが多かった

先生からは本当にたくさんのことを教わった。パッと全てがでてくるわけではないけど、

・ルーディメンツ全般
・ペダルの踏み方
・四肢を連結する練習
・ジャズ
・ツインペダル
・ポリリズム
・実際の曲を使った練習
・アレンジに対する考え方
etc…

色々なことを教わってたくさん成長できたけど、もちろんダメ出しも多かった。そりゃそうだ、ハタチそこそこのガキンチョが、プロドラマーから見て完璧な演奏などできるわけがない。

一生懸命やっても、ダメ出しは湧き水のように無限に湧いた。別に怒られたわけでもないし、厳しくされたわけでもないし、追い詰められたわけでもない。

純粋に、建設的なアドバイスをいただいていたわけだが、「もっと練習しなきゃ、もっと練習しなきゃ…」と勝手に不安を募らせていった。

不安を払しょくするには、限界を超えて、疲労が不安を上回るまで練習し続けるしかなかった。

これは破滅にいたる様々な理由の中でも、比較的大きな割合を占めていると思う。

ドラムを習うために必要なお金を稼ぐのも大変だった

週一回、月4回ドラムを習うためにはそれなりのお金が必要だった。リンキィのバイトにしっかり出ながら、カラオケのバイトも増やした。

運が悪いと9~26時くらいまで働かなくてはならないため、それはそれで大変だった。体力に余裕がないと精神の余裕もなくなってくる。

精神の余裕がなくなってくるとそれをドラムの練習量を増やすことで補おうとする。完全に悪循環だった。

もちろん、勝つためにドラムをやっているのであり、楽しいと思ったことは一度もなかった。

まとめ

習うことで得た技術は、今でも自分の土台となっている大事な財産となった。

その一方で、「世界に通用するドラミング」を知ってしまったことで自分にとことん厳しくなってしまった。自分に厳しくなることが体を壊すことのきっかけになった。

次は、同棲していた例のメンヘラ彼女がでていったことがきっかけでバンドが崩壊した話をしようと思う。

大事なのはバンドが崩壊したことではない。バンドが崩壊したことがきっかけで俺のメンタルが崩壊したことだ。

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