ミギ
まず事の始まりは26歳の夏。
7/1の事だった。
仕事から帰ってきた私は、何を思い立ったかいきなり大掃除を始めたのだった。
暇だったからというのもあったが、本格的による夜中にやり出したのである。
「いつか使うだろう」「いつか着るだろう」そんな物がたまりにたまった押入れ。
やりだしたら何故かその日は止まらず、なんとゴミ袋45L5袋パンパンに詰め込んだ。
何故かその日の私は、ゴミをすぐに捨てに行かず、車のトランクに押し込んだ。
当然ゴミ捨て場なんて歩いてすぐの距離にあるのに。しかもなんだかんだで夜明けまで片付けていた。
だが、私まだ若い。
夜勤までまだ時間がある。
スロット打ちにいこう←いつもです
仕事前ギリギリまでスロットを打ちギリギリに仕事に行く事が日課になっていた私は、その日も車に乗っていつものホールへと出向いた。
しかも、トランクにゴミ(ちなみに生ゴミはないですよ当然)を積んだまま。
その日は特に調子がいいわけでも悪いわけでもなく、ちょこっと勝っただけだったがかなり時間がギリギリになっていた。帰らないと。ゴミも捨てないとな。とりあえず景品にだけ変えて、また来たときに……。
そう思った私は、景品に変えただけですぐに車に乗りエンジンをかけた。
来た道を帰る。ただそれだけの事。
それなのに……確かに明け方まで掃除してた。寝てない。でもこんなの夜勤明けとかならそのまま遊びに行ったりなんてザラなのに……なのに……
信号が赤になり、ブレーキを踏む。
信号が青になり、アクセルを踏む。
5秒後、私はその信号柱に激突していた。
つづく。