ミギ2
パンッ!
(イテッ何?)
顔の、顎のあたりに痛みを感じ私は目が「醒めた」
あれ?信号で止まってて……そんで……あれ?
目の前にはコンクリートの柱。
何やらボンネットからは煙が出ている。
顔が痛い……あっ!!
私、事故った?
その時初めて状況を把握する事ができた。
煙にビビり、やばい爆発する!逃げなきゃ!
右手で運転席のドアを開けようとする。
……が、右手自体が動かない。力も入らない。
なんでだろ?痛いとかそういうのないのに……
早く、早く外に出なきゃ爆発しちゃう!!
なんとか左手でロックを解除、左手でドアを開け……あれ?
右足を出そうとするが、右足が動かない。
なんで?なんで動かないの?
左足は動く、なのに右足が動かない。
ただ、上半身は動く。
私は左手で開けたドアに右上半身をあて、左手で再度可能な限りドアを押した。身体にも力を入れた。
変な格好だったと思う。
運転席からズルズルと顔、上半身が覗く状態。
それでも私は必死だった。
ふぅ、やっとここまで出た。よしこっから全部出れば……
実際に上半身を出すまでどれくらいの時間がかかったかわからない。ただすごく長い時間に感じた。
ただ……ここから先、救急車到着までの間の私の記憶はない。
この後どんな行動を取って、実際にどうやって救急車が来たかなど、私の知るところではなかった。