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苔の土は何が良い?

「苔を育てたいのだけど、どんな土が良いか?」

「こんなアイディアで苔を使いたいんだけど、苔を植え付ける基盤はなにがよいか?」

この手の質問、すごく多いです。本当に多い。

わかります。他の植物も「バラの土」とか、「観葉植物の土」とか、いろいろありますもんね。

苔を育てて失敗すると、土のせいにしたくなるのもわかります。

さて、では苔テラリウムに使う土は、何が良いか?について書こうと思います。

極論言ってしまうと、、最低限の要素を満たしていれば、実はけっこうなんでもよい、と私は思っています。

苔ってそもそも土がなくても育ちます。森の中に軍手を捨てておけばそこに苔が生えるし、石にも生えている。極端な例だとこんなとこにも生えてるんですよ!ステンレスの上!すごいですよね。

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もちろん、どんな苔もこんなところに生えるわけではないですが。

そして、どんな環境でもこういう場所に生えるわけではない。あくまで環境さえ合っていれば、こういう場所にも生える場合もあるんです。

そう、「環境さえ合っていれば。」

まず第一に、環境が合っていなければ、苔を育てるのは無理です。土をどんな理想的なものにしたところで、環境が合っていなければ無理です。

苔にとって理想的な、「超すごい苔用土」があったとしても、例えば空中湿度が低すぎるなど環境が合っていなければ、まず苔は育たないと思っていいと思います。

逆に環境(空中湿度の他にももちろん温度や光量、水などその他の要素もあります)が合っていれば、まー、土の影響ってそれに比べれば相当小さいと思いますよ。

いや、他の植物だって環境が悪ければ育たないのは同じでしょ、という声が聞こえてきそうですが、苔の場合は、おそらく多くの植物に比べて環境要因に無茶苦茶に依存すると個人的には思っていて、だから「環境」を用意して上げるコツに比べれば、土なんてほんと微々たる問題!という感覚です。

もちろん本当になんでも良いわけではなくて、最低限の要素は満たしている必要があります。苔テラリウムの場合は、とにかく菌との戦いなんです。なので、まず第一に

「菌の出にくい清潔な用土を使う」

とにかくこれが重要です!

この土を使うと生育が良くなる、という積極的な理由ではなくて、とにかく菌が出やすいと壊滅的被害がでるので、とりあえずそこだけ気にすればOK!という消極的な理由になります。

菌が出やすい土、例えば屋外で拾ってきた土や、買った(とってきた)苔についた土をそのままテラリウムに入れると、菌が出やすいです。屋外の土には菌がうじゃうじゃ着いていますし、菌の餌になるものもいっぱい入っています。

以前にタチゴケ を土がついた状態でそのまま植えたものと、(いつも通り)丁寧に土を除いて植えたもの、10個ずつ用意して2ヶ月以内の菌の発生率を見たことがありますが、結果はこんな感じでした。

  土が着いたものがカビた数 7/10個

  土が着いていないものがカビた数 0/10個

こんなに違いが出る?とびっくりしましたね。

とにかく外の土や、腐葉土やケト土みたく菌がうじゃうじゃいそうな土は使わない方が無難と思います。腐葉土は苔栽培に使う人もいるし、ケト土はよく苔玉に使いますけどね、今話してるのは、通気性の悪いテラリウム限定の話ということを忘れないでくださいね。屋外なら全然ありです。誤解が多いところなので要注意です。

あとは、そうですね、性質の極端なもの、アルカリの砂とか、どうなんでしょうね、やったことはないですが、明るい色の砂なんかはアルカリのものも多いので避けた方が無難じゃないかな?と思っています。やったことありませんが。逆にピートモス は酸性ですが、問題を感じたことはありません。

良く売っている土としては、

(焼成)赤玉土、鹿沼土、ピートモス 、バーミキュライト、富士砂、樹皮培養土、熱帯魚用のソイル、、、あとなんだろう?その辺の用土なら大抵問題ないと思います。

焼成がよいのは、菌や有機物を焼き切っているので、より安全だろうということです。

ちなみに、苔むすびの土は

 赤玉土(焼成・超細かい) 2

 バーミキュライト(超細かい) 2

 ピートモス (ふるいにかけたもの) 1

を3種を上記の割合で混合しています。「はじめての苔テラリウム」を書いていたころは「籾殻くん炭」というのも混ぜていましたが、今は使うのをやめました。

このバランス、一応適当ではなく、いろいろ考えた結果こうなっています。苔むすびの土の素晴らしさ(!)については、また改めて記事を書きます。

土なんてなんでもいいよっていいながら、素晴らしいってどういうこと?って感じだと思いますが、もちろんこだわればいろいろあるんですよね。

そう、「よりよい土」はあります。pHとかイオン交換容量とか、考えた方がよい場合もありますが、差し当たりそれほど考える必要はないと多いますよ。

ちなみに、よく「水はけ」という言葉が出てきますが、テラリウムについて言えば、「水はけ」は考えなくて良いんじゃない?と思ってます。下の塞がっているガラス容器で育てる場合は、「水はけのよい土を使う」、というよりも、土を水でびしょびしょにしすぎない、と言い換えた方がよいのかも?

いかがでしょうか?私は苔の育成について相当シビアだと思っていますが、土については、初めて挑戦してみるときにそこまで難しく考えなくても、という感覚です。

難しい話は難しい話で、また機会があるときにしましょう。









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