サマルカンドで出会った優しい三兄弟
サマルカンドでは絶対にスルーして通れない場所がある。
レギスタン広場だ。
レギスタン広場には、メドレセと言われる神学校が三棟建っている。
向かって左側にはウルグ・ベク・メドレセ、右側にシェル・ドル・メドレセ、さらに中央にはティリャー・コリーモスクメドレセがあるらしい。
現在いるシャーヒズィンダ廟軍からレギスタン広場までは徒歩でいけそうな距離だったので、歩いてレギスタン広場を目指すことにした。
(ウズベキスタンではmaps.meというオフラインでも使える地図を利用しました。かなり使いやすかったです。)
ナチュラルにひつじがいる風景。
壁に貼られたナルトのステッカー。
ウズベキスタンでも人気があるらしい。
15分ほど歩くと、遠くの方にこれまたでっかい建物が見えた。
とにかくでかいので、あれがレギスタン広場のうちの一つの建築物だろう、と思いながら足を早める。
建築物を追いかけながら門をくぐると、急に活気のある場所についた。なんだここは、とあたりを見回す。絹織物や美しい装飾が施された皿、かわいい雑貨が軒先にズラッと並ぶ。
私たちは気づかぬうちにサマルカンド最大のバザール、シャブバザールに足を踏み入れていた。お店の人と目が合うと、「コンニチハ!」とあいさつされる。
台車の上に、ナンを乗っけて売っている人がいっぱいいる。
サマルカンドのナンは、2年食わずに保存しても、カビが生えてこないらしい。多分それはウズベキスタンが砂漠気候で、カビの原因になる湿気がほとんどないからだ。
はじめて見る風景に興奮し一心不乱にシャッターをきっていると、後ろから急に肩を叩かれた。もしや撮影禁止の場所だったか!?と思いびっくりして振り返ると、そこには優しそうなおばあちゃんと、おばあちゃんに抱かれる孫らしき小さな男の子がいた。
「そのカメラでこの子を撮ってよ!」
おばあちゃんは、ジェスチャーで私に伝える。写真を撮ってあげると、おばあちゃんは金歯をちらつかせながらニコリと笑って、満足したように人混みの中に消えていった。
ウズベキスタンの人は、本当にきさくである。
少し小腹が空いたので、ここらで軽食をとることにする。
ウズベキスタンには「チャイハナ」と言われるレストランが点在しており、かなりリーズナブルな価格で食事やお茶をすることができる。ここにもチャイハナを見つけたので、行ってみることにする。
チャイハナに入店するやいなや、店員と思わしきお姉さんが遠くの方から超笑顔でかけつけてきた。「どうぞどうぞ、入って!日本人!?わーお!!ベイビー!!(童顔なので多分中学生くらいに見られている)」みたいな感じでテンション高めである。
「メニューはありますか?」と尋ねると、「そんなもんはないわよ!私がメニュー。あなたは今何が食べたいの?シャシリク?ラグマン?なんでもあるわよ!」
と流暢な英語ですごい話しかけてくる。
勢いにまかせて、ナンとシャシリク、コーラを注文した。
⬆️奥にあるのがシャシリク(肉を焼いて串にさすだけの超シンプルな料理)
手前にあるのがナン。
⬆️ウズベキスタンで飲食店に入ると、必ずといっていいほどこの柄の食器で料理を提供されるためなんだか見慣れてしまっていたが、すごく素敵な柄なのでやっぱ買っていけばよかったと後悔。(バザールで100円とかで買える)
お腹を満たし、お店を出る。
バザールを探索していると、また後ろから肩をたたかれる。
振り向くと、今度は若い男性2人と女性1人の3人衆がいた。
どうやら一緒に写真を撮ってほしいとのこと。快く一緒に写真を撮った。
一期一会...。そんな言葉が頭に浮かんだ。
さて、レギスタン広場を目指して再び歩きはじめる。
見えているでかい建物の方に歩き続けていると、またまた後ろから声をかけられる。
先ほど一緒に写真を撮った3人衆だった。
どうやら、レギスタン広場まで案内したいとのこと。
え?レギスタン広場って今見えているあの建物でしょ!?と思いながらも、せっかくの善意に断る理由はないので3人の後ろについていく。
彼らがグーグル翻訳を表示したスマホ画面を私たちに見せてくる。
学生なの?何歳?いつ帰るの?という質問に対して、私たちもスマホ画面を見せながら必死にコミュニケーションをとる。
どうやら彼らは私たちとほとんど同じ年齢で、3人兄弟らしかった。
Google翻訳すごい。ありがとう。
歩くと、先ほど遠くに見えていた大きな建物が近づいてきた。
ここらへんがレギスタン広場ね、ありがとう!と伝えると、彼らは違う違う違うともっと先の方向を指さした。スマホ画面を私たちに見せてくる。
「これはより小さい」
より、小さい....?
そう、私たちが目指して歩いていたのはレギスタン広場のメドレセではなく、その手前にあるモスク、ビヒハニム・モスクであった。
どうやらレギスタン広場はもっと向こうで、これよりももっと大きいらしい。
その後も彼らとスマホ片手にコミュニケーションをとりつつ、歩く。
しばらくまた歩くと、向こうの方に先ほどのモスクより大きな建物が3つ現れた。レギスタン広場に到着。
建物があまりにもでかいので、歩いてる人間がみんな小人に見える。
カッタラフマト!(ありがとうございます)と彼らに伝え、最後にもう一回写真を撮り、お別れをした。
彼らは「ハイル!(さよなら)」と言い、遠くの方で手を振ってくれた。
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