見出し画像

リーグ戦で活躍できたけど、トーナメントでは活躍できなかった選手。

そうです題名の選手は僕です。
大学4年の時のチームのみんなのおかげで春リーグでは優秀選手賞を、秋リーグでは最優秀選手賞をいただきました。選出理由を勝手に推察すると、リーグ戦を通して試合に出場し続け、得点を満遍なく取ったからだと思っています。

しかし、その年のインターカレッジ(大学生のトーナメント方式での全国大会)では、納得するプレーが出来ず、結果も出ませんでした。

もちろん「実力不足なこと」、「プレッシャーに弱いこと」、「勝負弱いこと」は自分で重々承知しております。この結果が不服だ!なんていうつもりはありません。全て自分の実力です。

ここで少し昔話をします。

中学時代から高校、大学生時代に、関東大会や全国大会など、トーナメント形式の数々の大会に出場してきました。試合が終わったときいつも感じていたのは
「あ〜勝ててよかった。」という安堵の気持ち。

大学生になって初めて「リーグ戦」を体験しました。春季と秋季の2シーズン、試合は週末に2試合か1試合。それが約1ヶ月少し続く中期戦です。

もちろん始めは緊張します。
左ウィングとして始めて出た試合は1年生のときですが、自分がどんなプレーをしたのか全く覚えていません。笑

コンスタントに試合に出れるようになったのは2年生の途中からです。

同じポジションの上級生が急遽試合に出れなくなり、そのリーグのほとんどの試合を任せてもらうことができました。すると、「プレーするのが怖い」という感情が、「もっとプレーしたい」「このシュートを試したい」に変わっていきました。

しかし、トーナメントであるインターカレッジ(通称インカレ)では、緊張とトーナメントに対する苦手意識から思うようにプレーすることができませんでした

結局、その苦手な感覚は大学4年生になっても消えず、満足な結果を出すことはできずに大学生でのキャリアを終えることになります。

先日バレーボール元日本代表の大山加奈さんがこのようなツイートをされていました。

自分が中学生の頃、春の全国大会が東日本大震災によって中止になりました。
初めての全国大会だったということもあり、楽しみな気持ちがありましたが、それ以上に不安や恐怖を感じていました。

「もし負けたらどうしよう。」
「うまくプレー出来なかったらどうしよう。」
「緊張して体が動かなくなったらどうしよう。」

その不安から解放されたことで「ほっとした」ことは確かです。

もちろんどのカテゴリーにおいても、全国大会に出場することを楽しみにしている選手は大勢いますし、そこで鍛え上げられた勝負強い選手たちが今の日本のトップレベルを担っていることは疑う余地のない事実です。

自分もそのプレッシャーや生き残りの戦いで淘汰された選手の一人に過ぎません。
実際、心の底から全国大会で早く試合がしたいといっていた僕のチームメイトには尊敬の眼差しを向けていました。

しかし、トーナメントによって本来経験すべき試合を経験できず、埋もれてしまった才能ある選手も大勢います。その中にはリーグ戦の中でメキメキと力をつけて、活躍できるようになる選手が大勢いると思います。

自分が中学、高校生のときから「試合を経験できる機会」が十分だったら、と想像せずにはいられません。

スクリーンショット 2020-05-24 13.37.57

https://twitter.com/handkoju828/status/1263284669832769536?s=20

甲子園をはじめ、様々な競技でトーナメント式の「全国大会」が中止になっています。日本一を本気で目指す選手ももちろんいるかもしれませんが、選手の多くは「これまでの頑張りに区切りを打てる場所」として捉えていたら、これほど悲しいことはありません。

甲子園がなくなったことを告げられた選手たちが流していた涙。
「日本一を決める舞台を失った。」というよりは「自分たちが認められる機会を失った。」ことに対する涙に見えました。

トーナメント方式の大会を否定するわけではありません。
先ほども申したように、そこから優秀な選手が生まれることは事実です。


リーグ戦、トーナメント、それぞれに特性があり、長所と短所があります。
年代によって求められる大会の方式が見直される良いきっかけになればいいと思いました。

拙い文章ですが、自分の気持ちをそのまま書かせていただきました。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
お疲れ様です。

森永浩壽

2022年の今、フルタイムで働きながら日本リーグ参入を目指すハンドボールチーム"富山ドリームス"の選手として活動しています。ここでのサポートは自身の競技力の向上(主に食費です...)と、富山県内の地域との交流に使わせていただきます。