子供たちにとってゲームとは何か?○○○を体験すること。
9ヶ月ぶりの公式戦...どう戦う?
昨日今日と小学生の大会にコーチとして参加してきました。
今年度から筑波学園ハンドボールクラブの高学年男子を指導させていただいており、今大会が新チームになってから初めての公式戦でした。ゲーム自体は9ヶ月ぶりだったみたいです。
大学のリーグ戦や練習もあり、満足に指導出来ていませんでしたが、子供達と共にハンドボールを出来る1回1回の機会を大事にここまで半年間、活動してきたつもりです。
今大会も子供達がどんなプレーをしてくれるのか、またどんな成長を見せてくれるのかとても楽しみにしていて、その期待以上に子供たちが頑張ってくれました。
この大会は、自分自身が小学生のときにも参加した経験のある大会で、懐かしい気持ちと共に、違う立場で帰ってきたことへの新鮮な気持ちの両方を感じました。
ゲームでしか味わえない感覚が子供達を強くする。
初戦、子供達を見ているとあからさまに緊張していました。
日常生活では味わえない心臓がバクバクした感じや、やられて悔しい気持ちが溢れてくるような感じがみて取れました。
結果は惨敗。
試合が終わった後、子供達にこんな風に話しました。
「緊張もしたと思うし、うまく行かなくて悔しい気持ちにもなったと思う。でも、普段学校に通っている中でここまで心臓がバクバクしたり、悔しい気持ちになることはある?」
みんな首を横に振っていました。
「こういう気持ちにさせてくれるのが今みんながやっているハンドボールなんだよ。この気持ちをバネすれば、みんなもっと上手くなれる。もっと自分の世界が広くなる。」
メキメキと音がした。
同じ日にあった2試合目。
見違えるほどに動きが良くなり、大量得点でゲームに勝つことが出来ました。
もちろん、1試合目から2試合目の間では練習の類は一切行なっていません。
相手を攻略するために思考を止めないことを続けた結果、少しですが子供達は自らの力で自分自身の殻を破ったように見えました。
ゲーム中にずっと意識していたこと。
ゲームの中で僕がずっと意識していたことは2つ。
1:子供達が相手を攻略するために頭を働かせ続けているか。(諦めてないか)
この大会は攻撃面と防御面で決まりごとを1つずつ作っていました。その決まりごとを基に、ゲームの中で相手に対応することを学んでもらいたかったのです。
もし疲れて頭が回っていなかったり、諦めていた場合は交代して休ませることにしていました。
2:子供達を全員ゲームに出す。
高学年男子は4.5.6年生の合計で11人。ゲームは10-5-10。短い時間の中で少なくとも5分はゲームに出れるように調節することにしていました。これがかなり難しかったです。
ゲームは非日常を体験する場。
大学の先生の受け売りです。また、デンマークで学んだ哲学でもあります。
ハンドボールと日常生活は切り離されるべきで、ハンドボールをすることで日常の鬱憤やストレスを発散させて、日常に戻ったときに活力を維持するという考え方です。
だからこそいつもとは異なる雰囲気の中、行われるゲームの機会はとても貴重でハンドボールの成長だけに関わらず人としての揺らぎの中に成長を見出すことが出来ると思っています。
全員出場させているのはただ試合経験を積ませるということだけではなく、非日常を経験して欲しいという気持ちも込められています。
今大会の経験を通して子供達がさらにハンドボールのことが大好きになって、もっとハンドボールをしたい、もっと上手くなりたいと思ってくれたらコーチとしてこれ以上嬉しいことはありません。
最後に。
このコロナ禍の中、今大会を運営するに当たって尽力された大会スタッフの方、また子供たちの送迎並びに応援などの支援を頂いた保護者の方々に感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
こうして明日は月曜日、日常生活に戻っていくことになります。また明日から頑張って行こうと思える2日間でした。
今日はこれくらいで。
筑波大学男子ハンドボール部 森永浩壽