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としまえん跡地の「古城の塔」の保全と活用を求める署名活動を終了します

 当会、練馬城豊島園『古城の塔』の保全と活用を考える会はこの度署名活動を終了することにいたしました
 理由としては東京都建設局との対話や公開された資料を確認した結果、古城の塔の保全を検討するにあたって妥当な意思決定プロセスを踏んでいる事が確認できた為です。
 下記にその詳細を説明します。

署名活動開始の経緯

 本署名活動はとしまえん閉園から約2か月が経過した2020年10月26日に開始しました。開始時は下記のような状況でした。

  • 「令和2年度第2回公園審議会」の審議資料「イメージ案」に古城の塔が無く、審議会でも話題に上がっていなかった

  • 古城の塔について解説したものや調査された資料が無く、区民・都民の中では昔からあることは知られていたものの得体の知れない「謎の建物」だった

  • パブリックコメントが令和3年1月28~2月27日に予定されており、それ以外に公園づくりに区民・都民の意見を拾う場があるのか不明だった

 そこで当会としてはパブリックコメントまでに古城の塔がどのような建物であるかを早急に調べ、区民・都民の皆さんにお知らせし、東京都建設局に発信して公園づくりに組み込んでもらう必要がありました。

まちづくりの決定プロセスと本来の署名活動の役割

 近年、所謂市民の政治参加の方法として署名活動が注目されがちですが、署名活動とは本来の政治やまちづくりの意思決定プロセスをすっ飛ばした活動です。
 まちづくりであれば自治会という合意形成の場があり、公園づくりにおいてもパブリックコメントとして市民の声を拾う機会や、場合によってはワークショップ等で合意形成を図る場が用意される事があります。
 署名とは極端な言い方をすればある一つの見方・立場の意見を合意形成を経ずに一方的に直接行政に届ける行為です。従ってその活動に価値が発生するのは合意形成や意見収集の場が無い、正式なプロセスを経ていない場合であり、署名運動はあくまで緊急事態に発生する最終手段なのです。当会は上記を認識した上で、先述の経緯から署名活動を継続してまりました。

 しかし今回はパブリックコメントで71件、オープンハウスで25件もの古城の塔の保全と活用を求める意見が東京都に提出され、それ以降東京都も古城の塔について調査をし、現在「使用」「展示」「代替施設の検討」の3案で検討をされている事が分かっています。
 また「としまえん水と緑の公園で遊ぶ会」主催の公園づくりワークショップでも、古城の塔を保全し活用する意見が合意形成されています。

 古城の塔については東京都からの情報公開がなかなか無かったため、検討状況について当会も分からずにいましたが、この度しっかりとしたプロセスのもと、その検討が行われている事が確認できました。
 そのような状況では署名活動の方がむしろ公園づくりの正式プロセスから外れる行為であり、その役目を果たしたと考え、終了することにいたしました。

今後の展望と当会の活動について

 「古城の塔の劣化状況等の調査報告が公開されました」にも書きましたが、古城の塔について3案のうちどれが選択されるかは「保全にかかるコスト」と「保全する価値」を天秤にかけ、どう判断されるかです。判断するのは建設局ですが、「保全する価値」とは区民・都民が区民・都民にとって価値ある建物であると認知しているかが重要となります。

 署名をしていただいた皆様、本当にありがとうございました。
 これからも当会はとしまえんと地域の歴史を掘り下げ、noteやYoutube、講演等で発信するとともに、実際の学びに繋げるイベントの企画を積極的にしていきたいと思っています。また東京都建設局にはこれまでより積極的かつ頻度を増やして情報を公開される事をお願いしてまいります
 主体的にとしまえんの歴史を学びに変えていく活動をしていきますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。


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