【読書ノート】AI監獄 ウイグル
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おぞましいというのが率直な感想であり、
本書を読み進めていくたびに寒気を感じた。
それくらいの臨場感があった。
だが忘れてはいけないのはここに書かれていることは
現実であり、今も尚同じ空の下で行われている事だということを理解しなくてはならない。
特に本書で印象的だったのが、
「新疆ウイグル自治区にはいたるところにカメラがあり、スマートフォンとPCはハッキングされ、信用度の
ための"社会ランキング"が全員に与えられる。」
という内容だ。
当然、この"社会ランキング"が低くければ
強制収容所送りにされる。
こうして常に監視下に置かれると、多くの人は敵と味方を区別することができなくなり、政府に対抗するための
必要な情報も得られなくなる。
それだけでなく、友人が友人を裏切り、
上司が部下を密告し、教師が生徒の秘密を暴露し、
子どもが親を攻撃する。
読んでいるだけで背筋が凍りそうになった。
そして、政府は国民の管理・監視をするだけでは飽き足らず、人々の考えを一掃しようとした。
「脳からウイルスを取り除いて治療・浄化し、正常な精神を回復させる」のだという。
今、我々はこうして日常生活を過ごしていることがどれだけ幸せなことか。
残念ながら私は知ることしかできない。
でも今の時代は誰もが自由に発言し発信することができるしその権利がある。
ならば私は発信し続けたいと常々思う。
ぜひ本書を手に取って読んでもらいたい。