とある夏物語 ゆい
湘南と一括りにするのもベタなら鎌高前や七里で撮るというのもあまりにもベタで、幼い頃から海ばかりではない湘南に馴染みの深い僕としては滅多にこの辺でポートレートは撮らない。でもこないだまでアイドルだった彼女を撮るにはわかりやすいほうがいいかもと思い、ここへ来てみた。
で、浜へ出てみたりもしたのだけれど。
やっぱりベタなシチュエーションがどこか気恥ずかしくて早々と移動することにした。
途中、行きつけのカフェで写真を見たりして時間をつぶす。彼女のいいところは頻繁に撮った写真を確認してくれるのだ。そしていい写真があると「よいー♪」「よいー♡」てな感じで盛り上げてくれる。♪と♡の微妙な違いを使い分けてくれるのもよいーw
観光客の多い七里を抜け出して小動の辺りまでくると景色も気分も落ち着く。湘南の、浜によって表情がガラリと変わるところが好きだ。
まだちょっと明るい。薄暮まで待つことにした。ストロボは持ってきていないけれど、134を走るクルマがほどよく彼女を照らしてくれるはずだから心配ない。
撮りたい写真が撮れた。街へ戻ろう。
少し歩けば腰越の駅。
夏のこの時間帯に外灯の色がかぶって景色が金色に染まるのが昔から好きで、フィルムの時代にはこの界隈でよくスナップした。
今日の撮影はおしまい。江ノ電で藤沢へ抜け、夕食をとるため電車を乗り換えて辻堂に行くことにする。茅ヶ崎のプレンティーズがテラスモールの潮風キッチンに出店していて、とても美味しいから。