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誰も知らなかった馬場さんの苦労、鶴田さんの苦悩~「王道ブルース」覚書3

 全日本プロレス50周年記念で出版された「王道ブルース」(徳間書店刊)が3月30日に発売されました。
 著者は、全日本プロレスひとすじ48年のレジェンドにして「赤鬼」渕正信さん。

左端が渕さん。身長183㎝で実際にお会いすると、大きいなと思います。その渕さんを「小柄」に見せてしまうジャンボ鶴田さん(196㎝)とジャイアント馬場さん(209㎝)の規格外のデカさ!!


 1974年、全日本プロレスに「再入団」した後は、アメリカ長期武者修行の3年間を除き、常に馬場さん、鶴田さんの傍にいて、ある時はタッグパートーナーとして、ある時は社長(馬場さん)とブッカー、ある時は対戦相手(ファミリー軍団対悪役商会)として対峙。 寡黙な馬場さんと最も話をしたレスラーであり、鶴田さんと公私共に最も親しく付き合い、一緒に練習したり、タッグを組んだり、鶴田軍のエースと参謀として三沢光晴率いる超世代軍の壁として立ちはだかった。

 前にも書きましたが、馬場さんは生前、数冊の本を出していますが、猪木さんが引退時に現役生活を振り返った「アントニオ猪木自伝」のような集大成の一冊は遺していません。
 鶴田さんに至っては自伝を出さないまま、突然亡くなってしまった。
 ブルーザー・ブロディと鶴田さんが、自身の言葉で80年代の鶴龍対決や、ハンセン・ブロディ組vs鶴田・天龍組の熱い戦いを語らないまま、逝ってしまったことで日本のプロレス史には大きな穴が空いてしまったのです。

 空白地帯で何が起きていたのか。すべてを知るのは渕正信さん以外にいない、と断言できます。
 レスラーのことは、レスラー同士にしか分からない。馬場さん、鶴田さん、ブロディのレスラーとしての矜持や思いは、同じ場所にいて、同じ時間を共有した「生き証人」渕さんだけが知るところなのだと思います。

 「王道ブルース」は、プロレスに興味のある人や、かつてプロレスをテレビで見て興奮した経験のある人に、ぜひ読んでほしいと思います。

 私自身、渕さんが直接見聞きした話をお聞きして、それまでに漠然と抱いていた「ジャイアント馬場」「ジャンボ鶴田」のイメージは大きく変わりました。

 これまでに伝えられていた「冷酷非情なプロモーター、馬場」や「ろくに練習もせず、素質だけで強かった鶴田」とは、まるで異なる話が次々と渕さんによって明かされます。

 ご購読をよろしくお願いします。


全日本プロレス一筋のレジェンドが
初めて語った馬場さん、鶴田さん、そして俺の
一番長く熱かった時代の記憶――。
団体創設50周年記念出版!

■「鶴田友美」といきなり30分スパーリング
■「モハメド・アリ対ジャンボ鶴田」
■「クーデター未遂事件」の真実
■ザ・シークとブッチャーに助けられる
■ラッシャー木村さん「マイク」でモテ期到来
■俺が泣いたのはあの時だけ…馬場さんの絶句
■四天王プロレスはなぜ激しくなったのか
■三沢に詰め寄った「鶴田さん追悼」の違和感
■川田、渕、2人だけの全日本プロレス
■敵地・新日本プロレスに乗り込む…他


<目次>
プロローグ 口外無用の「5分勝負」

第1章 試練の再入門
「鶴田友美」といきなり30分スパーリング
マシオ駒さんから「入門OK」の返事
「俺が帰るまではいてくれ」鶴田さんから激励
ジャイアント馬場さんに「再入門」を直訴
再入門の日に襲い掛かった2つの不運
死を覚悟した「受け身地獄」…他

第2章 道場の青春、そしてクーデター未遂
「ジャンボ鶴田はトレーニングしない」の嘘
ダニー・ホッジに学ぶ「壁への指立て伏せ」
なぜ馬場さんは猪木さんの挑発に乗らなかったか
…他

第3章 「馬場のボーイ」アメリカ武者修行へ
ジャンボ鶴田流効率的トレーニング
テリー・ファンク、トージョー・ヤマモトと
寝不足でも容赦ないカール・ゴッチの指導
幻のゴッチ&ロビンソンのタッグ…他

第4章 飛翔する鶴、昇りゆく龍
「手を抜いている」鶴田さんが抱えていた苦悩
「第3の男」が「昇り龍」になった日
ジャパンプロレス軍団の弱点を見た!
ロード・ウォリアーズに私がキレた理由
「ジャンボ鶴田最強説」はなぜ語られるか…他

第5章 激動のヘビー級戦線
大横綱・輪島さんのプロレスデビュー
「天龍革命」は正直、キツかった。
鶴龍対決、そしてブロディの死
三冠ヘビー級戦線の立役者は誰か

第6章 四天王プロレス激化の裏で
ホープ、三沢光晴の入門
「2代目タイガーマスク」の苦悩
鶴田さんが「四天王」を叩き潰す意義
川田は「倍返し」を食らって輝いた
小橋、田上に与えられた偶然のチャンス
ハンセンが四天王の成長に体を張った理由…他

第7章 二巨星、墜つ
ジャンピングニーの継承
「渕君、モテなくても健康が一番だよ」
馬場さんを最後に見た日
鶴田さんの引退と渡米…他

エピローグ 嗚呼、我が幸福のプロレス人生よ!

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