Born to be wildでいいです4
次に彼女を見たのもやっぱりドーヴィル。
2週間くらい後だったから、夏休みの真ん中辺りかな。
たぶん、その時いた連中は全員思ったはずだ。
チャンスだってね。
ひとつだけ違っていたのは、
隣にはもうひとりのマーメイドがいたってことなんだ。
顔立ちは似てないんだけど、
ぱっと見の感じは姉妹のようだった。
だが、その女ってのがとんでもないドラマのキーパーソンになるんだね。
これがさ。
「ねぇ知ってる?ハイレグってさお手入れが大変なんですと」
ぼさっとした表情を少しも変えず機械的な口調で則川が言った。
コワイよこいつ。でもそうかふたりともハイレグなんだ。
そうそうハイレグはあの頃、ちょっとスタイルに自信のある子たち
ご愛用の水着のタイプ。
バブルの頃はそれはもう大流行。
キャンペーンガールやレースクイーンといったらまずハイレグだったね。
デザインでいうとVゾーンのあたりがとっても鋭角的なんだなこれが。
世界の北野ことビートたけし先生のギャグ「コマネチ」は、
ルーマニアの体操選手ナディア・コマネチのハイレグ姿を
イメージしたものなんだ。ってこれ豆知識ね。
もうひとつついでに言っておくと「コマネチ」のあのポーズ。
オリジナルは当時そこそこ人気のあったせんだみつおさん。
なんだってさ。
さて、話を戻そう。
ふたりともハイレグだから、
それで似てるってわけじゃないけど、
なぜなんだろう、ぜんぜん違うのにこの姉妹感。
彼女たちをチラ見しながらそんなことを考えていた。