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HELP!が来ない。 (BEATLES ESSAY 4)

ザ・ビートルズの2作目の映画のサウンドトラック盤の”4人はアイドル、HELP!"が発売される。と発表されると僕はいてもたってもいられずすぐにそのLPを予約した。ただただ,発売日を待つだけだった。発売日当日、僕は学校が終わると駆け足で、街のレコード屋さんにむかった。一刻も早く、彼らの新譜を聴きたかったのだ。でも、今になって思うが、その新譜の中にHelp,Yesterdayが、誰も聴いた事が無かった、世紀の傑作が入っていたアルバムだったのだ。発売日に聴いたという事はあの名曲を日本で初めて聴いた人々の一人という事になる.さて、夕方になってしまった.随分長い間待っている.レコード屋のおばさんが申し訳なさそうにしている.僕は3時頃から、レコードの荷物を積んだトラックが来るのをいまか、いまか、と待ち続けていた.ああ、その時代には,ヤマトの時間指定が無かったのだ.6時を回った.おばさんが,同じ街のもう一つのレコード屋さんを見て来て、”あっちのレコード屋さんには入荷しているから,買ってこようか?”といってくれる。僕は待ちます。と言ったけど,顔はべそをかいていたかもしれない.8時の閉店時間のちょっと前に,HELP!がやっと届いたのだった.何処か違うところに配達されたらしい.僕はもう泣きそうだった.あの時のただただ,待ちどうしかった気持ちは,あれから40年!!!以上たった今でも鮮明に思い出す.あれだけ待っただけの価値があるレコードだった.でも思い出しただけであの頃が懐かしい.新譜が届くのを待っている子なんていまもいるのかなぁ、40年以上前のレコード屋さんの店先でトラックを待っている僕を今の僕が見たら,いじらしくって,抱きしめたくなってしまうでしょう.僕にも可愛いときがあったのです.(この一行はちょっと,気持ちが悪いかもしれません。).とにかく,僕はその日のうちになんとか,HELP!を聴く事が出来ました.中には奇麗な海辺の4人のポートレイトが入っていました.その日は何回、A面、B面とひっくり返して聴いた事でしょう・・・ビートルズの新譜を聴けた二度と無い、最高に幸せな時代でした。
  その頃の事だと思いますが、我が街の映画館に映画館にビートルズが出演する、POP GEAR,ポップ・ギアという映画がやってきました。どう考えても、田舎の映画館にやって来る映画ではありません.皆さんもそう思うでしょう?だって、ビートルズの他には、スペンサー・ディビス・グループや、アニマルズ、ハーマンズ、ハーミッツ等が出演しています.田舎で、ハニーカムズなんて誰が知っているでしょう、不思議です.が、それにも増して、不思議なのは、その、カップリングです.当時、田舎では、3本立てが当たり前でした.3本立てとは3つの映画を上映するという事です.他の2本とは、なんと、加山雄三の映画に、キングギドラだったのです!!!!.POP GEARという映画をご存知の方はその映画でビートルズがどの位、登場しているか御解りになると思いますが最初と最後の計、5分だけなのです.その映画館に僕と友達2人で日曜日に行ったのです.どうしてかというと一日中、何回もビートルズを見たかったからです.もちろん当時は入れ替えなんてありません.でもこれがなかなか大変でした.何しろ、5分ビートルズのShe loves youとTwist and shoutを見るのに約5時間、我慢しなければならなかったのです.2回見たけれ場10時間です.全く、映画館の中で、あんぱんとコーヒー牛乳でがんばったものです.あの頃は・・・・
2006年12月20日4時42分

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