戦争や紛争について子どもと話す時に気を付けること。
NHKのアカウントから「ウクライナ情勢 子どもにどう伝える 接し方や注意点を専門家に聞く」という記事が流れてきて、読んでみたらなかなかプラクティカルで良いじゃないですか。戦争みたいに難しくて複雑な事象を多感な子どもたちとどのように話すのか。実は、いろんな組織、メディアが有益な情報をを提供しています。
NHKの記事に協力しているのは、世界中で子ども支援を行っている国際NGOのセーブ・ザ・チルドレン。海外のみならず日本国内でも活動するセーブ・ザ・チルドレンは、日本国内で災害が発生した時とかにも役立つ情報をサイトに載せてたりするんですよね。「専門家がすすめる、子どもと戦争について話すときの5つのポイント」という記事では以下の5つのポイントがあげられています。
1. 子どもが話したいと思っている時に時間を作り、耳を傾ける
2. 子どもに合わせて話をする
3. 子どもの気持ちを受け止める
4. 世界中の大人がこの問題を解決するために、懸命に努力していることを伝え、安心を促す
5. 現実的な手助けをする
やはり子どもの視点でコミュニケーションをとることがポイントですね。最後の点は、子どもの助けたいという気持ちを大切にするということで、子どもたちがアクションを起こすことをサポートしようということです。子どもの主体性を尊重する大切なアプローチです。
一方、海外でも同じような記事が上がってきています。Lobsterrのニュースレターで触れられていて気づいたのがニューヨークタイムズの「How to Talk to Kids About Ukraine」です。こちらでは以下5つのポイントが紹介されています。
1.(子どもが話したいかどうかは)子どもからヒントを得る
2.子どもが不安でいる徴候がでていないか気に掛ける
3.ニュースや怖いイメージばかりに子どもを触れさせない
4.何を怖がっているのか理解する
5.子どもたちの不安を尊重しつつ、なだめる
最初のセーブ・ザ・チルドレンの記事に比べて、記事自体が長いのですが、その分、多くの情報やアドバイスが含まれています。子どもたちが話したくないのであれば、無理に話す必要はない。子どもたちは大人とは違う理由で戦争を怖がっているかもしれない。答えられない質問を聞かれたら、後で話そうと提案し、それまでに大人は情報を調べる(笑)、などなど。
子どもたちがどのようなメディアから情報を出ているか確認し、より信頼できるソースに誘導するというのもありました。こんなに情報にあふれている世界において、好ましい情報の交通整理をするのも大人の役割なんだろうけれども、大人にも情報リテラシーが求められますね。
最後に、子ども支援の大御所であるユニセフ(国際連合児童基金)の記事も紹介します。こちらはウクライナ戦争に特化したわけではなく、紛争や戦争の事象についてどのように子どもと話すべきか、保護者を読者として想定して書かれた記事です。「How to Talk to Your Children about Conflict and War」
1.子どもたちが何を知っていて、どのように感じているのか理解する。
2.子どもの成長段階に合わせて穏やかに接する
3.スティグマではなく思いやりを広める
4.助けあっている人々に焦点を当てる
5.会話を終える時も子どもの様子に気を付けて
6.継続して様子を見続ける
7.情報の洪水を避ける
8.自分自身のケアを大人は忘れない
さすが大御所、安心感があります。他の記事と同様に、子どもの視点を大切にする、子どもの成長段階(年齢)に合わせて対応する、紛争の負の側面ばかりに焦点を当てない、つねに子どもたちに注意を払うというのが強調されています。難しいトピックについて話すのは大人も疲れちゃうもの。大人自身のケアも大切ですね。
3つの記事に共通して触れられていることですが、紛争の影響を受けた人々に対して、実際に助け合っている人々のことにも触れ、子どもが自ら行動に移すことを支援するっていうのがとてもポジティブで良いと思いました。戦争が起きるたびに子どもに絵を描かせたりするのってどうしてなんだろうと思っていたんですが、子どもたちなりの手段で子どもたちも能動的に平和構築の活動に自らの意志で参加することができるんですよね。子育ての技術ってなかなか教えてもらえなかったりするので、こういう記事が発信されるのは本当にありがたいことだと思います。
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