「あなたが女性に活躍してほしいと思う理由はなんですか」への回答
色々な情報を得るのに毎日愛読させて頂いている日経新聞様でタイトルのような質問に対する投稿募集があったので、書いてみます。(この為にnoteに登録してみました(笑)なのでこれが初投稿!)私は現在某大学の教員(工学系です)をしており、学会活動などでも女性の活躍推進に関する活動も行っており、日々色々と考えていて、つい最近作り始めた自分のサイト( https://naturalphilosophy-academy.com/ )でも少し記事を書いたので、そこからさらに突っ込んで考えてみたいと思います。ちょっと偏った考えもある気がするのですが、率直な意見として書かせて頂きます。
まず、今の世の中全般についてですが、多分皆と同じ意見ですが、男性が主体となってしまっている社会だと思います。そしてそれは、遥か昔から男性が支配して男性によって支持されてきており、ある意味かなり偏った考え方に基づいて出来上がっている社会だと思います。要するに、バランスの欠けた社会なのだと思うのです(今の世の中で常識とされている事の殆どが実はバランスを欠いた考えである、という可能性さえあります)。
個人的な見解ですが、男性と女性はそれぞれ違った能力を持っていると思っています。男女が平等な権利を持つのは必須だと思いますが、男女が同じ能力や感性を持つ必要もないと思っています。僕が感じている女性の優れた点は、協調性(共感・共有能力)、コミュニケーション能力、包容力(許容能力)、適応力が高いところだと思います。一方男性の強みは、感情に流されない決断力、論理的思考能力、リスクを背負ってでも目標に突き進む貪欲さが高いところだと思います。もちろん、全員に言えることではないし、そうあるべきではないとも思います。あくまで全体的な傾向としてはそうかな、と思うレベルです。ただ、社会のように人が沢山集まって母数が増えてくると、相対的にその傾向が顕著になるのではないかと思うのです(ここが人類の進化の落とし穴だったのではないかなと思ったりします)。男女で傾向を決めてしまっている時点でジェンダー差別だと感じられるかもしれませんが、生物学的にも男女はかなり大きな違いがあるので、それらが性格や能力にも一定の影響を及ぼしても良いのかなと思っています。例えば女性は子供を産んで育てるような体の仕組みになっているので、母性本能は必然的に男性より高い傾向にあると思います。男性が子供を産みたいと言ってもそれは出来ません。そういう体なので。これは生物としての基本で、「差別」ではなく、単純な「差」だと思います。そしてそういうものが性格にも一定の影響を与えても良いと思うのです。さて、それを踏まえると、今の世の中は、男性だけが集まって出来上がってしまった社会であり、男性の強みだけが強調されてしまった結果なのだと思うのです(上述した強みを考えると、平和的な社会を作るには女性の方が向いているとも思うんですけどね…)。
この中に女性が入っていくことは相当大変な事だと思います。それでも一生懸命頑張って改革を進めているのが現状だと思うのです。ただ、中々難しいなと思う点は、(これも個人的なちょっと偏った考えかもしれませんが)世界の最先端で頑張っている女性の中には、男性の競争社会の中で生きていくために、女性であるけど男性に負けないように男性の土俵で男性以上に頑張っている方も結構いるのではないかと思うのです。まだまだ男性色が強い場所ではそれは必要な事であるとも思うのですが、女性が女性らしく、特有の能力を十分に発揮出来る世界が早く来てほしいなと思います。もちろん今世界で頑張っていることをさらに突き進めて、女性の比率が上がっていけば自然とそうなっていくと思います。ただ、今のような競争社会の中では、すべての女性が頑張っていけるわけではないとも思うのです。というより、むしろ男性であっても今の世の中で生き残るのが難しいという人も多いように感じています。それは、今の世の中が行き過ぎた「競争社会」だからだと思うのです(競争なんだから当たり前だろと言われればそれまでなのですが…)。競争は、生物が進化を遂げて生き延びていく上で必須のもので、人間もそのおかげで進化してこられたのだと思うのですが、ここまで進化した人間なら、これからはもう無理に「競争」しなくても十分に進化しながら生き延びることが出来ると思うのです。互いに手を取り合って協力して進化していくことが出来ると思うのです。SDGsでも、「誰一人取り残さない」事を目指しているそうですが、この考えは競争とは真逆ですよね。競争ではなく(もちろんある一定の競争は残っても良いと思いますよ。淘汰する競争ではなく高め合う競争なら…)、そろそろ「協調社会」になっても良いのではないかと思うのです。むしろそれこそが人間の一番の能力だと、思ったりします。でも今は男性だけの偏った社会だからそれが出来ていないのだと思うのです。「競争」や「優秀」というキーワードだけで生き抜こうとしている感じがします。もしも、遥か昔から女性ももっと表に出られる社会であったなら、「競争」ではなく「協調」が、「優秀」ではなく「優しさ」が重視されていたら、今世界が抱えている「貧困」や「飢餓」や様々な「環境問題」も、もしかしたらずっと少なく、ひょっとしたら存在すらしていなかったかもしれないと、思いませんか?上述した男女両方の強みが合わさったらそれが十分可能だと思うのです。競争して優秀な人だけが優位に立つ世界では、どこかで貧困や飢餓が起きるのは当然だと思います。優秀な人が周りを顧みず便利なものだけを生産し続けたら環境に問題が起きるのも当然だと思います。「競争」は、男性の強みとして向上させてきたものであり、同時に、大きな欠点にもなってしまっているものだと思うのです。だからこそ、これら全ての問題を解決するためにも、女性の社会進出はもっと加速していかなければならないのだと思うのです。
自然界では、片方の性別だけが力を付けてもう片方の性別の可能性を潰してしまうような偏った社会を形成するなんてあり得ないと思うんですよね。でもそれをしてしまっているのが人間なんです。勿論動物の中でも偏ったように見える社会は多々あるかと思いますが、それは種が生き延びていく為に必要な役割分担をしている結果だと思うのです。しかし人間は、長いこと男性だけが表に立ち、様々な決定を男性の考えの元で下してきました。その過程で様々な偏った考えが常識として成立し、今に至っているのだと思います。つまり、今の人間の社会全体が、自然界からしたら偏った視点に立ったもの(種として半分の意思だけがまかり通る社会)で、それが長らく続いてしまっているから、地球レベルの問題まで引き起こしていっているのだと思うのです。だから、現状の全ての問題を解決する為には、一つ一つの問題に目を向けて対策を練ることも大事ですが、まずは「社会全体」としてバランスを取る事が何よりも重要だと思うのです。
そういうわけで、タイトルの質問に対する僕が思う簡潔な回答は、
今の世の中が抱えている全ての問題を解決する為には女性の力が必要だから
となります。ただ、今の競争社会の中に女性がただ飛び込むだけでは、結局は男性の作った常識の中で男性が有利になりやすい能力を使わなければいけなくなってしまい、せっかくの女性の強みが生かしきれないので、早く、男性と女性のそれぞれの特性が生かされたバランスの良い社会になって欲しいなと思います。お互いの良いところを褒め合って、伸ばし合って、共に生きていきたいですよね…。きっと人類の歴史も、社会が形成されたばかりの頃はもっと上手く機能していたのではないかなと思います。それがどこかで男性ばかりに偏るきっかけがあったのだと…(恐らく社会が大きくなり過ぎたことで男性社会の欠点が増大してしまったのだと)。それでも、曲がりなりにもここまで進化して協調性もある社会を築けてきた人間です。今自分達の置かれている状況を皆でよく観察して現状をきちんと把握さえ出来れば、男女(というか全ての性)が仲良く手を取り合ってより良い世界を作っていけると、信じています。競争はある意味自然界における自然の摂理なのですが、恐らく人間は、この競争という節理を越えて、種として皆で互いに「支え合って進化する」という選択肢を手に入れることが出来る唯一の種ではないかと思い、現状に悲嘆するのではなく希望を持って、皆で前に進んでいきたいと、思うのです。
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