どうしてロングトーンの練習が大事なのか?
この度、久しぶりに当YouTubeチャンネル「こじらせコントラバス」の本筋である自分の考えを披露する動画を公開しました。今回のテーマは「ロングトーンの定義と目的、および実戦的な練習方法」。論文のタイトルかよ!?笑
という訳で、こちらには2020年に書いていたブログ記事を持ってくることにしました。少し手直しは入れますが、僕のこじらせっぷりは読み取って頂けるかと思います。
「どうしてロングトーンの練習が大事なのか?」
2020年6月10日
僕は、俗に言う「基礎練習」の大切さが分かった、というか身に染みたのは、他の人よりかなり遅かったんじゃないかと思います。
というのも、僕は演奏方法に限って言うと、他人に「こうだよ」と教えてもらったことでも、自分でかみ砕いて考えて納得しないとイマイチ信用しない、というやっかいな性格をしているからなのです。笑。この性格のせいで、どれだけ回り道をしたし、今でもしていることか!
例えば「ロングトーンの練習は非常に大事である」というのは楽器奏者なら当たり前すぎる事実ですし、現に僕も今ではかなり確信を持ってそう言えます。しかし僕は「じゃあ、『なぜ』ロングトーンの練習は大切なのか?」という所まで考えてしまうのです。今回はその質問に対する架空の回答への僕のコメントを通じて、僕の回り道っぷりをご覧ください。笑。
答1 「基礎だから、そう教則本に書いてあったから」
いや、だからそれは弓でコントラバスを弾こうとした人なら全員知ってる事実であって、理由とは違うっしょ。
答2 「先生がそう言って、最初にしつこく練習させたから」
いい先生に出会えて良かったですね。でも理由ではないよね。
答3 「楽器の音は奏者の声だから、美しい声を出す練習なんだよ!」
はいはい、詩的な方面に行く回答ね。発声の仕組みと擦弦楽器の発音の仕組みとは違うっしょ。ちなみに、日本ではブラバンでコントラバスを始める人が多いみたいですが、管楽器のロングトーンとも状況は全然違ってくるはず。
答4 「弓のどの部分でも均一な音を出せるようになるから」
この辺から、マトモな答えです。アップやダウンで意識せずにクレッシェンドやデクレッシェンドになっちゃうことがあり、それは困る、ということですね。ここから、自然にクレッシェンドするのはそんなに悪いことなのか?ある特定のタイプの音を出したい時に、敢えて弓の使いにくい部分を使う理由は?均一な音ってなんで必要なの?などの議論が広がり始めます。
答5 「その日の自分のコンディションを知るため」
この答えも結構よく見る気がします。確かにそうでしょうけど、「練習」という意味では何とかして「上達」につなげられないか?自分のコンディションを知った上で効果的な練習メニューを組むってことなのかな?
答6 「楽譜にあるゆっくり全音符などをひと弓で弾けるようになるため」
これはアンサンブル視点からの回答で、大いに納得です。まぁそれでも弓を返すしかない長い音符もあるので、音量記号とかの兼ね合いも考えて弓を返すか返さないかを決めるべきなのですが。
答7 「腕、肘、手首、指の使い方をゆっくり調節するため」
この答えは、かなり僕の考え方に近いです。細かい部位のコントロールは、ゆっくりの方がやりやすい。
答8 「ごちゃごちゃ考えるな!とにかくやること、できるようになることが肝要である」
ここまで来ると禅ですね。嫌いじゃないし、正直そう思う部分もあるのですが、まだまだ悟りが足りない凡人ですみません。ちなみに「悟り」は大事ですが、「禅=思考の放棄」ではないはずです。
とまぁ、こんなところでしょうか。ところで書いてるうちに、「全弓を使うのは前提条件っぽいけど、そもそもひと弓何秒以上が『ロングトーン』なんだ!?」という新たな疑問が。自分でも思いますが、本当にメンドクサイ性格をしてるもんです。
※2022年2月追記
公開した動画では、上記の答え以外に僕が辿り着いた目的にフォーカスし、更にゲーム感覚で行える楽しい練習方法も提案しています。もしこの記事を読んで「他に答えが見つからない!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ動画をご覧ください!