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自分の生きるシステムに触れるのは、なかなか面白い。が、危うくもある。

自治会の勤務日を終え家に帰り着き、炊き立てのご飯を雑に焼き飯にしてかっこんで、チーズケーキを作った。そのチーズケーキは今まさにオーブンの中で、これを書き終える頃に焼き上がるだろう。私の知ったレシピでは1番美味しいそれは、チーズケーキのわりには手間のいるもので、ここぞという時にしか作らない。
案の定、なかなか面倒くさい作業に少しばかりうんざりしたのだけれど、これで美味しいチーズケーキが食べられるのだから良しとしよう。

なぜそんな手間のかかることをしたかと言えば、家族の入院が来週に迫っており、美味しいものでも食べてほんのいっときでも気が紛れればと思ってのことだ(その気遣いが的外れの可能性もあるが)。

前回の記事の中で、家族の病気でこの小塩の家を手放しても良いと思ったと書いたけれど、それを受けて先日、家族から彼らが住んでいる家を手放してこの里山の家に移り住もうと考えているという話があった。家族がそうしたいというのなら、それも良い。ただし、そうなったとて二人はわりと人付き合いが苦手だから、対外的な付き合いは私が担うことになるのだろうなと、ぼんやりと考えている。

この半月ほどはいつものスーパーのパートに加えて、イレギュラーな公的な会合が目白押しだったので、ぐったりしている。どれぐらいぐったりしているかと言うと、しなくてはならないこと、公園のトイレ掃除と田んぼの水を落とす作業ができないほどだ(こういう時に、なんでそれぐらいのことが出来ないの?と言ってくる人がいるけれど、その度になんて想像力のない人なんだろうと思う)。
この状況は由々しき事態で、何とか明日には両方ともしなくてはならない。

けれど、公的な会合でイレギュラーに忙しいのも、年度が切り替わってから諸々落ち着いた6月頃に会合が一挙に開かれるからだということが分かって、なかなか面白いと思った。
と同時に、主な収入源がスーパーのパートタイムジョブの私が、公的な会合や審査会・審議会の委員をしているということも、歪な感じがして面白いと思った。60代半ばのどっしりとした男性が大半の場で、四十の何も成してない女が一人混じっている奇妙さを想像してほしい(ちなみに、どんな場面でも疑問に思ったことは聞くどちらかと言えば厄介なタイプだ)。

そんな会合に加えて、1日の日曜にはうきは市の市長選挙があったので、小塩の投票所の投票管理者をして、その後、開票所の見学に行き、その前後に例年通りの大雨が降って自治会が避難所として開設されたりと、ここ数日だけでも目まぐるしかった。けれど、その間、まじまじと見ることになった市職員の人たちのここぞという時の忙しさにはとても驚いた。

ちなみに選挙についてだけれど、投票所の投票立会人になってみることや開票所の見学に行くことを強くお勧めしたい。投票の立会人は選挙の1ヶ月前ぐらいに各自治体で募集がかかったりするので興味があったらぜひしてみるべきだし、そのハードルが高いというのであれば開票所の見学に行ってみるといい。開票は公正に行われなくてはならないものなので、誰でも見学することができるわりに見学者は少ない(大抵は立候補者の関係者)。
選挙や投票、開票というシステムがどのように運営されているかを見るのは、社会の一端を知るための大変良い機会だと思う。

それで言うならば、公的な会合や審議会に出席することも同じで、今までは知り得なかったシステムの一端に触れることができて、とても面白い。
それは、偶然にして田んぼの所有者になったがために、農業という生業の世界の一端に触れさせてもらったことによるカルチャーショックを受けた時と同じぐらいで、私は非常にわくわくしている。

ただし、自分の思想的だったり政治的な立ち位置がいったいどこになるのかという新たな見直しをして見出さなくては、自分というものの軸を失い、簡単に流されていく可能性があるだろうとも思っている。つまり、今の私はずいぶんと危うい。

自分なりのしっかりとした距離感でシステムとは付き合う必要があるだろう。

さてさて、家族のためのチーズケーキも焼き上がった頃だ(少し時間をオーバーしている)。
美味しく焼けていることを祈るばかり。

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