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小さなメディア立ち上げる準備を始めました。

蔦の垂れ下がる窓の外にはしとしとと雨が降っている。十年以上ぶりにできた好きなピアニストのバッハが流れる中、白黒のハチワレ猫が鞄の上ですやすやと眠っている。
私の小さな城である編集室と名のついたこの部屋はずいぶんと静かで、それがとても心地良い。そして、これからはこんな時間が増えるのだろう。

というのも、この数年、やると言いつつ何もしてこなかったメディアを立ち上げることに決め、その準備を始めることにしたのだ。
メディアと言ってもごくごく小さいもので、ウェブと年1回か2回の1枚もののペーパーを200から300部ほど発行しようかと考えている。

ウェブメディアの零落をよく聞くこの頃に始めようとする理由は単純で、移住してからの4年間、見聞きして考えていることがずいぶん多く、それを書く時が来たなと思ったのだ。ところが、以前はあった自分の衝動と満足のためだけに書くということがどうも出来なくなってしまった。けれど辛うじてメディアを立ち上げれば書けそうな気配があるので、だったらやってみようとなった。
ずいぶんと消極的な理由なのだが、それぐらいでやる方が肩の力が抜けていて、もしかしたら良いものが出来るかもしれない。

メディアの名前はほぼ決めていて、それは両親宅と我が家の3匹の猫の名前から付けている。おおよそメディアらしからぬ名前なので、もう少し粘ってより良いものが考えついたら変えるかもしれない。と言いつつも、今のところとても気に入っている上に、母に話したら微妙な反応で、面白いことに母が微妙な反応をするものは後々よい場合が多いので、ほぼこの名前で行くと思う。

ルックを考えたりサイトの構築が面倒ではあるけれど、そのあたりのことはどうやらAIを使ったら出来ないこともなさそうな気配だ。何とかならなかったぼちぼち人力でしよう。

一番大きな問題はやはりお金だ。どこかしらで運営費を捻出しなければ継続的にすることなど無理なので、これからはどこでそれが稼げるのか、あるいは今の自分のわずかばかりの稼ぎの中から捻出するのか、それともイベントをして集金しそのお金を運営費に回すのかとか。
これについてはかなり真剣に考えることになるだろう。

そして出来ることなら、音声か映像メディアをやりたいと思う。

あー、これからが楽しみだ。

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