コールセンターの実態について深掘りした話
ざっくり言うと
・ざっくり言わない
・コールセンターの中の人の心情
・離職率の高さについて
・中の人の特徴について
まず、コールセンターという業種が他の数ある業種と完全に異質である点について説明する。
今の世の中を考えてもらえば分かるが、製品やサービスを提供している企業で、窓口を持たない企業は皆無だ。あるのが当たり前の世の中だ。
では、数ある企業の窓口は全部が全部自社で運営しているのか?と言ったら、ほとんどがアウトソーシングである。
今の時代は在宅ワークで電話機を貸し出し、個人に委託している所さえあるくらいの世の中だ。だが、自社で運営している所も、数は僅かだが、あることはある。
これがまず大前提で、どの会社のどんな窓口に電話した所で、繋がったオペレーターはただの「頼まれて代わりをやっている人」にすぎない。
なので、もし貴方が何かにつけて、クレームを思いっきり言ってやるZE‼️と意気込んでオペレーターにオラオラ言った所で、正直9割5分は暖簾に腕押しだよ、と伝えたい。
話相手のオペレーターはクレームに対して心の中ではこう思っていることがほとんどだ。
そんなこと俺(私)に言われても知らんし
オラオラ言いたくなる気持ちも分かるが、その心ない言葉によって、1人、また1人と鬱病の患者を増やしているんだよ、って僕は言いたい。
なぜか、いつの時代も求人が絶えない業界ではある。
絶えないカラクリは、こうだ。
早期離職者が続出するから
このカラクリについて、さらに深掘りしていこうと思う。
まず、第一に地方に限った話かもしれないが、未経験から手軽に応募できる敷居の低さに対して、いただける給与が高い方だと思う。
言葉は悪いが、上記の理由等から、ふとした繋ぎの職業として流れ込みやすい、言わば放浪者の吹き溜まりという印象が強い。
派遣社員の割合がべらぼうに高く、使い捨てカイロみたく、利用期限が過ぎるとポイッと捨てる。
#カイロに謝れ
期間限定で募集していることも多い。実際に入ってみないと、どの企業のどんな窓口なのか知る由もないが、結局は『繁忙期の充填要員を募集してるよ』と言うことになる。
僕が所属していたプロジェクトなんて酷いもので、閑散期は20〜30名体制、繁忙期になると100名を超え、繁忙期が終わると一気に派遣切りを繰り返し、直接雇用メンバーと、有能な派遣社員だけが最終的に生き残る、という感じだった。
とにもかくにも離職率の高さは異常だ。
主な要因を挙げると、
・研修でパンパンにスキルを詰め込まれる
・未経験者歓迎と謳いながらリテラシーがないとついていけない
・心ない言葉の応酬に精神が蝕まれる
・不向きな人材を無理やり採用している
・結果、無駄なクレームが多発する
僕が居た所では、こんな悪循環がずっと続いていた。話が前後するが、最終的に僕はプロジェクト管理者(SV兼センター長)をしていたので、採用面接も数えきれないくらいやってきた。仕事の概要説明なんて何も見ずにロボットみたいに暗記していたくらいだ(笑)
その中で、採用基準に満たない人については、ハッキリ上長に「この人を育てるのは無理です」と、見切っていたが、それでも雇えと言うため、「どうなっても後のことは知りませんからね」と軽くキレて、渋々採用していたりもした。
本当に馬鹿げている。誰でも雇えばいいってもんじゃないことくらい、普通に考えたら想像付くと思う。
言ってみれば、それくらい僕が居た部署は、背に腹はかえられぬ、猫の手でも狸の足でも借りたい、そんな状況だった。
#狸の足ってなんだよ
そうやって集まった人材はどうだろうか?
とても、これから訪れる戦争のような日々を闘い抜くには、恐怖と不安しか感じない布陣が完成する。
上手く表現できないが、『準備万端‼️』の対極をなす状態だ。『エラー』とでも言っておこう。
僕は、この職業を経験したおかげで一生分の『申し訳ございません』を使い切ったんじゃないかと思う。
僕の場合は、最終的に退職した身なので、今でも現役で頑張っている同志にはエールを送りたい。
ただし、僕はこの後の人生において、『コールセンターの中の人』を他人に勧めることはない。
もし、コールセンターへ転職を考えられている方の、少しでも参考になれば幸いである。
いくらメンタルにもスキルにも自信がある方でも、必ず一度は『仕事に行きたくない、電話に出たくない』という症状が出る。究極のM体質の方ならば、本当の意味で天職となり得るかも知れないが。
今回はここまで。
次回はSVになり、退職を決断するに至った大事件について書こうかな。
またねー👋