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コールセンター未経験からSVになるまでの話

ざっくり言うと、

・上司からチームリーダーにならないかと打診された
・葛藤の末承諾に至る経緯
・リーダーの仕事とは
・当時のSVが男女関係で揉めて左遷された
・SVの仕事とは

上司からチームリーダーにならないかと打診された

一般オペレーターを務めていたある日、SVに別室へ呼び出された。中に入ると、新しくチームリーダーを立てる必要があるが、第一候補として僕の名前があがっているけど、やってみないか?というものだった。

正直言って、当時の上司陣(リーダーとSV)は残業が当たり前で、リーダーになるということ=残業漬けの毎日が確定するということ。

実は、僕の勤めていた会社はチームリーダーになったところで手当はない。それがSVだとしても同じことだ。

つまり、まことしやかに言われていた噂では、残業代で稼げということらしいよと、聞いた。

噂ではなく、SVの口からもそう説明された。

僕は、「少し考えさせてください。」と言って帰宅し、オカンに相談した。

これから毎日帰りが22時過ぎになるけど、迷惑にならないか?とか、色々聞いた。

オカンの反応は、昇進するという事実を受け取り、素直に喜んでくれていた。頑張ってみたらいいんじゃないかと。

その言葉に勇気をもらったこともあるが、最後の最後に僕が感じていた想いを白状すると、

自分より仕事ができないヤツに指示されるくらいなら、自分がした方がまだマシだという、少しひねくれた答えだった。

少なくとも、素直にやりたいという気持ちではなかったことは確かだ。

内情はともあれ、僕はリーダーになった。

リーダーの仕事とは

リーダーになり、クレーム対応時に武装できる権限(武器)を説明(渡)された。

・武器の使い方
・クレーム客の殺し方
・後始末の方法

と、こんな風に書くと殺し屋みたいな感じになるが、上手く想像していただくとありがたい。

リーダーの主な仕事は、エージェント(一般オペレーター)の分からない相談事に答えること。

この中に、「すみません、クレームで上司に代われと言われてるんですけど…🥺」と、ぴえんな顔で来ることがたまに混じる。

大抵は、折り返し対応として状況を整理し、武装して戦場へ出向く。銃弾を込めて、照準をしっかり定めてから、撃ち抜きに行く。
#殺すな

ではなく、しっかりとお客様の怒りの矛先を見極めた上で、とにかく寄り添いに行く。これが基本戦術。

僕の『上司に代われ』(たぶん業界用語 エスカレーションという 以下エスカレ対応)初陣は、間もなくやってきた。

初めてのエスカレ対応は、案外すんなりと片付いてしまった。謝罪して、状況を整理した後、当たり前の対処を案内したら、

「あなたは話の分かる人だったから、いいんだけど、さっきの人はちょっとね。でも、こっちもカッとしちゃって怒っしまっただけだから、ゴメンなさいねって、あなたから謝っといてよ。」

と、逆にお客様から謝られ、頼まれるケース。

これが典型的なクレーム対応の王道パターンで、回答にまごついたり、オドオドしたりで不信感を与え、導火線に火を着けてしまっていることがほとんどだ。

後から録音を聞いてみても、これは怒られるわな、と納得してしまう程。なので、対応の苦言については、全力で指導不足を認めて平謝りする、これしかない。

でもね?すごく意地の悪い愉快犯みたいな人も居るもので、

「指導した内容を文書にしてまとめて証拠として送って来い。」

なんていう、変化球が来ることもある(笑)
これも、まぁまぁあるあるな方。

後は、物品要求やら、金銭要求やら、ただの脅迫やら、電話に出たらいきなり官能小説を読み上げるセクハラジジイとか、クライアント本社に現れる狂喜乱舞とか、色々居た。

SVが男女関係で揉めて左遷された

SVが同じ部署内の女性と不倫していて、その女性と遊ぶために、「用事があるから昼で帰る。」とか、シフトを調整して、いつも休みが同じになってるとか、色々あってバレたようだ。

左遷され、空席となったSVの椅子に僕が座ることになった。気付けば入社時に研修を担当してくれたお姉さんも、先輩方も全員まとめて僕の部下になってしまった。

自分でいいのか??とか、色々葛藤はしたけど、決断した。やります、と。

SVの仕事とは

SVの仕事を下記にザッとまとめた。

・リーダーが納めきれなかったクレームの相談役
・センター長(窓口最終対応者)
・週次、月次の社内とクライアントへの報告会
・クライアントの担当者へ相談、折衝
・クライアント訪問時の接待
・クライアント本社への出張訪問
・そのプレゼン資料の作成と、プレゼンする人
・データ分析
・プロジェクトの課題と対策
・個人面談
・採用面接
・是正報告書の作成(これが1番嫌いだった)

余談だが、これだけの業務をこなしても、手当ては一切なし。僕は、契約社員から、リーダーをしている時に上司の推薦で正社員登用されたが、入社してから辞めるまでに昇給した金額は、生々しいが月5,000円だ。

これらがSVの仕事となる。頻度で言うとExcel、PowerPoint、Word、Accessを扱っていた日々。

資料を整理してるとリーダーが「あのー…ちょっと、いいですか??」とやって来たり、「リーダーが全員空いてないので相談してもいいですか?🥺」と、普通に来たりする。

歴代SVの時は、『SVには絶対質問してはいけない』という暗黙のルールがあったようだが、そんな事を言ってられる状態ではなくなり、そのルールは消えた。

だが…、

自分の仕事の途中で頻繁に茶々が入るので、全く資料の作成が追いつかず、リスケリスケ‼️と、口癖のようにリスケという言葉を、青い丸い猫型ロボットのポケットから出てくる道具のように使っていた。

僕が1番嫌いだったのは、是正報告書の作成で、これは言わば、重大なミスをやらかした場合、クライアントに提出するビジネス反省文みたいなものだ。

ただ、これが本当に骨の折れるヤツで、音声のヒアリング、文字起こしから始まり、詳細に分析して、1つずつ対策と期限を決めて、その効果測定までして報告の義務が発生する、とんでもない時間の大泥棒業務だ。

指導不足な点は否めないが、やらかしたのは自分ではないので、内心『知らんがな』と思いながら毎回作っていた。責任とかそういう範囲を超えて、たまにお客さんに向かって暴言を吐く輩(個人の問題)が現れたりするので、その対策をしろと言われましても…トホホ。

今だったら明確に原因が書ける。

「雇いたくない、不採用だ。」と判断した人材を、
会社の指示で「入れてどうにかしろ」とゴリ押しされた為、不適格な人材を採用した会社側に問題がある。

と、今なら冷静に分析できるかな。

僕がSVとして経験した仕事は、こんな感じだ。
全てのコールセンターが同じような仕事とは言い切れないが、管理役を担う人は似たようなものだと思う。

本当は、コールセンターを辞めた理由についてまとめようと思っていたが、その前にこの話をまとめておかないと、頭の整理がつかなかったので、予定を変更して書かせていただいた(^◇^;)

次回でコールセンター編の記事は終わる予定。

最後まで読んでいただいた方、好きです。
またねー👋

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