メッシの”ボールタッチ”を解剖学的に徹底解説(解剖)してみた。
※動画の文字起こしになりますので、少し見辛いかもしれません。
メッシの”ボールタッチ”を解剖学の国家資格者が徹底解説(解剖)してみた。
メッシの凄さを解剖学の国家資格者が徹底解説(解剖)してみた。【ボールタッチ編】
どうも、こぎしです。
今回はメッシの繊細なボールタッチについて、
サッカー歴20年以上で解剖学の整体や鍼治療の資格を持つ僕が解剖学的知見を交えながら解説していく動画になってます。
解剖学というのは、人体の形態・構造いわゆる骨、筋肉、神経など全ての人間に共通する分野での話なので誰が見ても参考になると思います。
その中でも、
サッカー上手くなりたい、メッシみたいになりたい、いっぱい練習してるのになかなか上手くならない(伸び悩んでる)、とかサッカースクールなどの指導者などはぜひ見てもらいたい内容になってます。
では今回話していく順番、目次はこのようになっています。
[目次]
・メッシのボールタッチの凄さとは
・一般選手とメッシの◯◯の違い
・メッシのボールタッチに近づく方法
・メッシのボールタッチの凄さとは
この動画見てくれてるってことはメッシの凄さを知ってる人だと思うんですが、知らない人のためにもどんな選手なのか
リオネル・メッシ
アルゼンチン代表
現在パリ・サンジェルマン所属
35歳
バロンドール7回受賞
とにかく試合を見てもらうとわかりますが、
難しいパスもピタッと止めて、
細かくて速いドリブルで何人も交わし、
自分が突破しなくても絶妙なパスでチャンスを作り、
シュートやFKでゴールを量産する正に神様です。
僕は個人的に今メッシと同じ時代に生きててリアルタイムでプレーが見られるのかが凄いことだなあと。そのくらい凄いと僕は思ってます。
で、今言ったドリブル、トラップ、パス、シュート、FKこれらに共通する点があります。
わかりますか?
そう、それが冒頭でも言っていたボールタッチです。
いわゆるボールに触れるプレーという共通点がありますよね。
さらに言えば、
それでメッシってボールタッチがものすごい繊細でミスも少ないじゃないですか。
僕もずっと昔から見てて他にも上手い選手はいっぱいいるのになんでこんなに違うのか、何がこんなに違うのかと感じてました。※メッシ歴15年
これを才能?練習?それで終わらせるとこの動画終わっちゃうんでもう少しお付き合いいただきたいんですが、
逆に言えばこの理由が分かればメッシに誰でも近づけるかなと思うんです。
で、その繊細なボールタッチなんですけど、もっと具体的な表現するとしたら何か考えてみた結果、調節する能力、がずば抜けていることに気付きました。
どういうことかというと、
例えばシュートの場合、
軸足の置く位置、ボールのどこを足のどの部分に当てるか、それに加えてどの筋肉をどのくらい使うのかなど、これ全部調節ですよね。
メッシはこの調節する能力が極めて高くて細かいです。
この調節する能力というのは、身体(筋肉)で調節しているわけではなくて「脳」で行われていて、この脳のメッシと一般選手との違いにフォーカスしていきたいと思います。
②一般選手とメッシの「脳」の違い
違いを説明する前に簡単な脳の構造、仕組みについて説明いたします。
聞いたことある人もいるかと思いますが、脳は4つの領域に別れていて、それぞれ役割が違います。
前頭葉
側頭葉
頭頂葉
後頭葉
実際にボールを受けてトラップするまでの一連の流れを見てみると、
味方選手とボールを見て確認
↓(コーチング)
パスが自分に到達するまで
↓
トラップ(ボールタッチ)
これを先程の脳の役割に置き換えると、
パスが自分に到達するまでに
味方選手とボールを目視 後頭葉の視覚野
コーチング 側頭葉の聴覚野
相手選手・味方選手・ボールまでの距離 頭頂葉の空間視覚処理
の情報が全てまず前頭葉の前頭前野に入り、
その情報を整理しどのような動きをするのかイメージして、
そのイメージ通りに前頭葉の運動野が各筋肉に指令を出します。
これはサッカーに限らず人間が行うすべての動作の基本です。
まずこの一連の流れを軽くでいいので覚えておいてください。
簡単に言うと、視覚や聴覚などの情報を参考にプレーのイメージを想像し、その想像した動きができるよう各筋肉へ指令を出す。ということです。
そして、ここから重要なんですが、この一連の流れの中で一般選手とメッシで脳のある領域の活動が違う点が2つあるんです。
まず一つ目が、この運動野から筋肉に出される指令のところです。
メッシのこの運動野の活動部位の容量(活動する神経の量)は、一般の選手に比べてかなり少ないことが医学的に証明されています。
一般の選手のだいたい10分の1=10%と言われています。
え、10%しか脳から指令出してないの?100%の方がいいんじゃないの?と思われた方もいるかもしれません。
ここで冒頭でも伝えた調節する能力を思い出してほしいのですが、ボールをトラップするなどそこまで筋肉を使う必要の無い動作の場合そもそも100%の指令は多すぎるんです。
指令が多いとトラップする際に他の筋肉にまで指令がいってしまい、余分な筋肉までもが働いてしまう。
これがサッカーだけに限らずスポーツする上で変に力が入ったり、ぎこちなかったり焦りってのはそういうことです。脳からの指令に身体、筋肉が混乱している状態です。
メッシはそのムダをできるだけ究極まで削ぎ落として、余分な指令を一切排除し筋肉を働かせることでミスの少ない、且つより細かい調節を可能としているわけです。
これが一つ目のメッシの繊細なボールタッチの秘密になります。
2つ目の違いは、
脳の前頭葉の前頭前野の部分です。
ここは各情報を集めて指令を作る部分になるのですが、ここがメッシと一般の選手とで違いがあります。
各情報を集めて指令を作る=プレーのイメージ(想像力)に当たります。
このプレーのイメージが一般の選手に比べて、かなり具体的にイメージされているということなんです。
わかりやすく言うと大工さんが家を作る時に、どんだけ腕が良くても設計図がテキトーだと良い家は作れませんよね。って話で、
良い家を作るためには、設計図。
良いプレーをするためには、具体的なイメージが必要ということです。
なのでメッシの場合はこのイメージがものすごく具体的だと思います。実際聞いたわけではないですが、脳科学的には辻褄が合いますし、実際メッシがよく歩いてて守備しないなんて言われてたりしますけどあれもこの考え方でいくと、とにかく具体的なイメージ、指令を作るために他の選手よりも観察してより多くの情報を取り入れてると考えれば納得がいきます。
・メッシのボールタッチに近づく方法
なのでこの二つの違いからメッシになるためにどうすればいいかを考えると、
一つ一つのプレーをより具体的に想像(イメージ)して、そのイメージを最低限の脳の活動量でプレーする。という結論になります。
では、実際練習や試合でどのように意識してプレーすればいいのか。
運動野の活動を抑えるためには?
具体的なイメージをするためには?
運動野の活動を抑えるためには?
運動野の活動を少なくするためには、「反復」が必要になってきます。
身体に覚え込ませるというのはよく聞きますが、それはつまり運動野と活動量を少なくするという意味になるのです。
なのでメッシも何万回と同じプレーを練習、反復し、運動野の活動を最低限に研ぎ澄まし身体に覚え込ませていると思います。
前にバルセロナのチャビが「サッカーとは暗記とスポーツだ」と言っていた記事かなにかを見て、
これもサッカーのプレーの中での無数のパターンのイメージを記憶し、
反復練習することによって身体に覚え込ませることで運動野の活動量を極力抑え、
的確でミスの少ないプレーの理由なんだなと分析できます。
具体的なイメージをするためには?
そして具体的なイメージをするためにどうしたらいいかというと、
まずはとにかく情報をとにかく取り入れてください。練習でも試合でも。
サッカーは瞬間のスポーツなので一瞬の時間で判断することが多いです。
そのためにとにかく常に周りの状況を確認し、味方とコミュニケーションを取って情報をまず入れる。
そしてその情報を元に指令を作るわけですが、これは正直自由です。というかサッカーで一番の醍醐味でここを自分で判断できる楽しさがサッカーの魅力だと思ってます。
より正しい判断力を手に入れる方法は、
プロのトップレベルの試合を見ましょう。
ただ漠然と見るのではなく、自分と同じポジションの選手に注目してみたり、自分ならどうするかや、このときのこのプレー今度試合でやってみようという感じで、
自分の頭でイメージを具体的に作り上げることが判断力向上に繋がります。
とまあ、この分野については、話し出すとキリがないのでまた機会があればもっと話したいと思います。
とにかく覚えていってほしいのは、
メッシのボールタッチの秘密は「反復」と「具体的なイメージ」の2つ。
この2つを突き詰めると絶対上手くなります。
ぜひお試しください。
ここまで見てくれてありがとうございます。
もしよければいいねとチャンネル登録よろしくお願いします。
今回はメッシの脳について話したので、次はメッシの筋肉について解剖学的に話そうかなーと思ってます。
他にもサッカーの面白い、タメになる動画上げてるので暇なときでも見てみてください。
それではまた、お疲れ様でした。