「ゴブリンでもわかるゲームプログラミング」第36話 ~読むだけでゲームプログラミングがなんとなくわかるようになる謎のファンタジー小説~

本作は連載作品です。第1話は下記です。
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「うわぁあああああああああ!!」

「「「っ……!?」」」

 叫び声が聞こえた。

(……なんだ?)

「誰かが襲われたか?」

 オーエスがそんなことを言う。

「……行くよ」

 すぐに、そう言ったのはルビィであった。

 それはユキにとっては少し意外であった。ルビィは他人にあまり興味がなさそうであったからだ。

「「了解」」

 オーエスとユキは同意し、声がした方へ向かう。

 ……

「なっ……!?」

 現場に到着すると、状況はかんばしくなかった。

 男子生徒と女子生徒がそれぞれぐったりと倒れている。
 そして、巨大なゴブリンの前で、スパが腰を抜かしている。

 ゴブリンは目の前のスパを見下ろしている。

 と、スパが手のひらをゴブリンに向ける。

「さ、サンダーっ」

「ン?」

「ぐぁああ゛ああああ゛あああ」

 スパが得意の雷撃魔法を放とうとする前にゴブリンはスパの腕を力強く踏みつける。

「い、痛゛い……」

 スパは顔を歪め、地面にひれ伏している。

「シッテタカ? ニンゲン……マホウハ、ダセナケレバ、ナンノイミモナイ」

「っ……」

 魔法学の授業でスパが意気揚々と放っていた強力な雷撃魔法。
 それは無制限の準備時間があってこそのものであった。
 スパはそれを初めての知性ある者との実戦において、むざむざと見せつけられる。

 そしてゴブリンはついに手のひらをスパに向ける。

「くっ……!」

 スパはゴブリンに対して、制止を促す。

「や、や、やめろ……僕が本気を出せばお前なんて……」

「ン? ダッタラ、ダセバイイダロ? ホンキヲ……? オマエ、バカナノカ?」

「っ……! き、貴様……わかっているのか? 僕は子爵家、ゲッツェコード家の長男だぞ……」

 だが……

「……ハ? ナニイッテンノカ、ワカンネエヨ」

 ゴブリンは、首を傾げ、不気味に微笑む。

 スパは表情を歪ませ、そして……

「やめて…………やめてよぉおお゛おおぉおお」

 泣き叫び、這いつくばるように、ゴブリンから逃げようとする。

「ハハ、オモロ……ムシミタイダナ」

 ゴブリンは嘲るように笑いながらも、その手のひらに魔力を込め、その力をスパに向けて解き放たんとする。

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