「存在とは相互存在すること」
今日は、少し静かな時間をとって、ゆっくり下記の文を読んでみてください。私のメンターの一人の愛知ソニアさんのメルマガからの抜粋です。ぜひ、繰り返し静かな場所で一人になった時に、ゆっくりと読んでみてください。きっと全ては繋がっているという、ワンネスを感じることができるでしょう。
相互存在
もし、あなたが詩人なら、
この一枚の紙の中に雲が浮かんでいるのを
はっきり見ることができるでしょう。
雲がなければ雨はなく、
雨がなければ樹木は育ちません。
そして木々がなければ
紙を作ることはできません。
このように、紙が存在するためには
雲はなくてはならないものなのです。
もしも雲がここに存在していなかったら、
この一枚の紙もここにはあり得なかったのです。
ですから、この紙の中に雲があります。
雲と紙は「相互存在している（inter―being）」
のです。
この一枚の紙をもう少し深く見つめていると、
太陽があるのもあなたには見えてきます。
太陽の輝きがなければ、森は育たないのです。
実際に何も育ちません。
私たち人間も太陽の光なしでは育ちません。
この一枚の紙もこれと同じだということがわかり
ます。
よって、紙と太陽も「相互存在している」ので
す。
さらにもっとよく眺めていると、
この紙をつくるために木を切って材木所に運ぶ、
きこりも見えてきます。
そして麦も見えてきます。
きこりは日ごとの糧がなくては生きていけないの
で、
そのきこりが食べるパンの小麦もこの紙には見え
てくるのです。
そしてそのきこりのお父さんも、お母さんもで
す。
さらによく眺めると、
私たち自身がいるのも見えてきます。
なぜなら、私たちが一枚の紙を見るときは、
その一枚の紙は私たちの感覚の一部として現れる
からです。
したがってすべてがこのたった一枚の紙にあると
いえます。
ここにないものはない一つとして挙げることはで
きません。
時間も空間も地球も雨も、
そして土の中で起きている奇跡や太陽の輝きも、
雲も、川も、熱も。
すべてがこの一枚の紙と「相互存在している」の
です。
存在することは、相互存在することです。
あなたは自分ひとりだけでは存在できません。
あなたもほかのすべてと相互存在しているので
す。
この一枚の紙は、ほかのすべてが存在するから存
在しているのです。
こんなに薄っぺらい一枚の紙でも、
宇宙のすべてがここに抱擁されています。
ティク・ナット・ハン
サティッシュ・クマール著 エハン・デラヴィ／
愛知ソニア訳
「スピリチュアル・コンパス」（徳間書店）より
※ ティク・ナット・ハン（１９２６年～）は、
ベトナム出身の禅僧・平和運動家・詩人。 ダラ
イ・ラマ14世と並んで、20世紀から21世紀にかけ
て平和活動に従事する代表的な仏教者であり、行
動する仏教または社会参画仏教の命名者でもあ
る。アメリカとフランスを中心に仏教およびマイ
ンドフルネスの普及活動を行なっている。
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