車内に10時間
JR西日本で10時間も車内に閉じ込めるって尋常じゃない。10時間はさすが臨界点をこえている。
マニアル社会の弊害そのものだろう。積雪10センチを超えないとレールポイントを温めることにしないのだそうだ。その結果、いくつかポイント故障が発生して車両の大渋滞を招いたという。問題はそのあとだ。会社は満員電車を数時間過ぎてもなお客を車内に閉じ込める選択をとった事だ。マニアルを超えて誘導しようとした職員がいたのかは知らんが、臨機応変の対応が求められる時に臨機応変の対応が取れない組織とは一体なんだ、と私は考えてしまう。
昔はどんな組織にも組織から弾けた人、ヘテロ(異質)な人材が必ずいて彼らの存在が、いざという時、組織の危機を救ったものだ。経営の効率化の元、無駄な(と思われる)人材は排除し余裕がなくなった。
組織の多様性も現代は「どこを切っても一枚岩の‘’一律‘’の多様性」。言葉だけのSDGsだから、どの組織の顔も全てがのっぺりした金太郎飴。JR西日本の頭を下げている人は典型的な優等生顔だった。役所は特にそうだ。そういえば内閣官房長官も下を向いて書類を読むだけの人だから、切迫感緊迫感もないからちっとも政策問題が国民の心に通じない。やたら挙足取りの批判に晒されるのもしょうがないというもの。
各左様にお花畑の世が長くなって、マニアル社会になり、本来のサービスのなんたるか、本質根本みたいなものが抜け落ちてしまって、一騒ぎ終わればまたもとの木阿弥、また日常の仕事に戻るという安穏世界に逆戻り。一事が万事、今の日本社会を覆っている異様な風景だ。
10時間の閉じ込め騒動をここまで拡大しないと事の本質がわからないとは情け無い世の中だ。