アトピー性皮膚炎、であるという事
私には生まれつき、アトピー性皮膚炎があった。
小さい頃の記憶はあまりないが、思春期の時は特に辛かった。
アトピー性皮膚炎であるということが周りからどのように思われるか、分かっていたからだった。肌が汚いとかマイナスなイメージしか抱くことが出来ず、学校の制服で半袖を着ることもすごく嫌だった。肌が荒れた時は学校に行くのも億劫だった。周りの目ばかりを気にして、自分なりにアトピー性皮膚炎であることを隠して過ごしていた。
それは大人になってからも続いた。思春期の頃に比べたら幾分かはマシになったが、それでも自ら伝えることは避けていた。前の章にも書いたが、スナックに勤めている時も決して半袖は着なかった。お客さんから見られる職業でマイナスになることは避けたかった。
今までにアトピー性皮膚炎じゃなかったら、、この病気じゃなかったら、、と何度も思った。周りの目を気にせず過ごせるのに、と。
その中で今でも鮮明に覚えているのが、スナックに勤めていた時に行ったお客さんとのバーベキューで、その日は珍しく肌の調子が良かったため、久しぶりに半袖を着て行った。真夏だったので、長袖だと変に思われるかもと思ったからだった。
その時に「珍しく半袖着てるね。てか、肌がボツボツしてて荒れてない?もしかして、アトピー?スナックで働く子って肌が綺麗なイメージあったから、なんかショックだわ」と言われた。
私は「うん。ちょっと肌が荒れちゃってて。最近暑かったからかなぁ」と言って誤魔化したが、私の声は震えていた。その言葉を聞いた時、すごくショックだった。泣きそうになったが、場の空気を壊したくなくて我慢した。すぐにでも帰りたかった。
その時に「あー。やっぱりアトピー性皮膚炎だとそう思われるんだ。肌が汚いって思われるんだ。半袖なんか着なきゃよかった。」家に帰ってからもお客さんから言われた言葉が頭から離れなかった。
円形脱毛症になった時にアトピー性皮膚炎と深い関連があると知った時、どこまで苦しめるんだろうと思った。好きでアトピー性皮膚炎になったわけじゃないのに。
アトピー性皮膚炎じゃなかったら、多発型にならなかったのかも。そもそも円形脱毛症にならなかったんじゃないのか。そう思えてならなかった。