事業承継第9回(最終回):経営のガイドランナーとして
私の依頼者は、現経営者・お父さんのことが多いため、お父さんがこうなって欲しいっていう理想像に、息子さんを近づける作業が主なテーマになります。
「お父さんはこう言っているから、こうやってください」と、唐突に言っても息子さんは動きません。
「なんで忙しいのに、こんな外部から来た奴と話をする必要がある?」という感じで最初息子さんはブスッとしています。
話をしていき、息子さんの悩みを受け入れ、共感したりしながら信頼関係を作っていく。
「本当に継ぐ気がありますか?」
「会社の事どう思っているのですか?」
「会社をどうしていきたいですか?」と
息子さん自身で気づきを得ながら、自分でモチベーションのスイッチを押して変わっていけるようにします。
お父さんの目線・理想と、継ぐ方の目線・目標を合わせていくのですが、最終的なビジョンが漠然としている現経営者もいらっしゃいます。
その時は、伴走者・ガイドランナーとなって5年10年先の会社どうしていきたいか、一緒にビジョンを描けるようサポートします。想いを、語ってもらって文章にしたり、絵に描いてみたりし、可視化できるようにして目線を合わせていきます。
そのあとは、承継者がどのようにリーダーシップをつけていくのか、意識を変え、行動をどう変えていくのか、そういうところをコーチングという形でサポートし、中期計画やアクションプランを立てていきます。
事業承継の税制が変わってきて、有利な状況になってきています。
「へえ、有利になったんだ、でも、うちはもうちょっと先かな」と、考えないで欲しいです。
「はい、来年1月1日から君、社長ね」って言うだけでは継承できる訳もなく、やっぱり5年とか10年以上かかるわけですよ。
社内の周知浸透だったり、後継者の教育だったり、銀行とか、取引先とか、顧問の税理士先生とかにも、
ある程度、後継者を見極めてもらわなきゃいけない。
このご時世いつ地震が来るか分からないし、洪水がおきるかもしれない、なんとも不透明な世の中です。
今は健康でも、経営者がいきなり倒れてしまうかもしれない。
そう考えると、他人事だと思わないで予測と計画をしっかり立てながら早め早めに取り組んでもらいたいです。
現経営者が急に亡くなってからじゃぁ、後の祭りなんです。
元気なうちに自分が会社を立ち上げた時の思いだったりとか見えない企業文化だったりとかを受け渡さないとみんなが絶対後悔するんです。
経営者はまだまだ元気な人が多いですから事業承継が済んだら、また何か違うことができるかもしれない。
現経営者もハッピー
承継者もハッピー
社員もハッピー
取引先もハッピー
お客様もハッピー
これはもう三方良し、どころか、何方にも良しにもなるんで早め早めの事業承継を考えて欲しいなと、切に思います。
全9回に渡り、事業承継をテーマとしたコラムに挑戦してきました。
いかがでしたでしょうか?
全国に悩んでいる経営者も承継予定者も本当に多いのが実情です。
お困りのことがあれば、どんなことでも構いませんので一度ご連絡をいただけましたら幸いです。
ありがとうございました。
【これまでの事業承継に関するコラム一覧】
第8回:経営者の悩み
http://www.pole-star.me/2018/10/29/608/
第7回:辛い心情を打ち明けられない若手経営候補者
http://www.pole-star.me/2018/10/22/603/
第6回:コスト重視?それとも…優先すべきものは?
http://www.pole-star.me/2018/10/15/598/
第5回:軽自動車のエンジンでベンツを動かす?
http://www.pole-star.me/2018/10/09/591/
第4回:親子間の現経営者と承継者のはじめの一歩
http://www.pole-star.me/2018/09/12/583/
第3回:カリスマ経営者の後継者について考える
http://www.pole-star.me/2018/08/28/577/
第2回:事業承継の割合について
http://www.pole-star.me/2018/08/22/568/
第1回:目線合わせ、思いの伝達の大切さ
http://www.pole-star.me/2018/08/19/565/
先代との関係に悩む後継者②
http://www.pole-star.me/2017/12/30/319/
先代との関係に悩む後継者
http://www.pole-star.me/2017/12/24/316/
経営者の3つの悩み
http://www.pole-star.me/2017/12/20/314/