学べば空が離れていく
持ち歩くノートに一行も言葉を書かなくなる
ふとした瞬間
目に入った緑に混じる桜
花は緑と共に雨上がり 風に揺れている
あの太い木の枝のどこに
そんな力があるのか
地下に流れる美しい力
誤って零した一杯の炭酸水も
それを担っていたのなら
誤りなどないのかもしれない
言葉を待つ間
空を見ていた
飛行機がゆっくりと雲の間を
過ぎていく
時刻通りに出発したのだろうか
ここからは急いでいるのかどうかも
分からない
いつのまにか視界から消えていった
強い風が吹き始めた
ノートは白紙のままだ
言葉は降りてきていたのだろうか
空の青さに見とれて
探すのをやめていた心に
#詩 #現代詩