交差
これは音楽ではないのに
流れている音を立てている
気づかれないように葉が揺れて
動物が身震いする仕草で
枯れ葉が幹から落ちてきた
みたのではないよ
聞いたのでもないよ
私は泣いていなかったし
喜んでもいなかった
普通にカバンを持って歩いていた
約束の時間へ歩いている途中
空気に少し火をつけられて
風にもまだ
上手く運ばれられない
葉が足元へ
聞き取れない地面に触れた音に
生きているって
こういうことなんだと
ぼんやりそんなことを考えた
拾い上げた一枚の中にまだある水
天気、零下と夏
私という血の流れる身体の先端に
あなたがいて 私の掌で
ぎこちなくダンスをしている
風が吹いている
葉の形を助けている
私はみている
初めて今日、目をあけて
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