若葉

日向に芽を出した若葉は
これから来る冬を知りながら
グレーチングの隙間から
空へ向かった

原稿用紙の罫線から
飛び出そうとする
言葉のように

葉の先端に光が集まって
風に揺れながら
何かを書こうとしていた

自分が命であることさえも
知らないまま

風の中で
誰にも読めない
新しい ひらがなを

#詩 #現代詩 #twpoem

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