水面

急に詩が書きたくなって
親指をバックライトに滑らせる
言葉は白い煙りの中に
現れているのか
頭に浮かんだ文字は
写し取ろうとするともう
違うものに変わっている

人に伝えるためには
もっと良い方法があるはずなのに
黒い文字はまだ
青い空さえ伝えられない

「し」と打ち込むと
詩という言葉が真っ先に
予測変換される事に驚いて
こんなあやふやなものに
何処までも縛られている

私が指を止めると
心に浮かぶもの
本当はそれこそが
書かれるべき何かなのだが
推敲さえ
それを捉えられるのかどうか怪しい

互いに相容れない
空のコップが
光を満たしている

永遠に注がれない水から
水面だけを持ってはこれないように

#詩 #twpoem #現代詩

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