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フィールドレコーディングの記録と建築/音楽を考える日々
最近は、とある農場からの依頼で建築の音楽をつくっています。建築音楽はこれまでもたくさんつくってきましたが、改めて、フィールドレコーディングを使う音楽ならではのナラティブ生成とBGMとは何か?という問いの本質を考える日々です。
僕は建築も好きなので、よく(というかかなり)建築関連の本を読みます。
少し前の本だけど、これはいろんな建築家の頭の中が覗けてとてもおもしろかった。
これまでも今も、建築音楽には環境音を使うことが多い。そのままレイヤーとして敷く場合もあるが、加工して音素材として使うことのほうが多く、またそのほうがおもしろいと感じます。
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建築音楽とはどうあるべきか
例えば、ホテルやカフェや住宅など衣食住に関する場所は、人間の基本的な欲求を満たすという目的があります。当然そこに流れる音楽も、本能的に心地よいと感じるほうがいい。
・メロディはないほうが飽きない。
・音の響きを計算して、ホワイトノイズのような外の音(虫の声や水の音など)が入ってくる建物の場合は、それとコントラストを描くような低周波のドローンミュージックだとすごくマッチする。
・静寂に近い建物だと、少し高めのアンビエントを流すと空間に程よい緊張感が漂う。
など、経験上感じ得たいろんなテクニックがありますが、これらはどれも「目的に応じた心地よさ」を追求した結果手にしたものです。
本能的に心地よく、建築の品格を損なわない洗練された音楽は、僕の中である程度パターン化されてきました。これは悪い意味ではなく、なんかプロフェッショナルになってきたなという感じ。
人が入るとまた違う響き方をするのが建築物。その都度EQやボリュームのチューニングが必要ですが、それも込みでおもしろい仕事です。