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留学生活授業編「先生の中国語が分からずに、教室にいる諸外国からの留学生の前で自己紹介する。」11番

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私1人で教室の中へ入ると丁度中国語の授業の最中でした。
その教室には、生徒(女性4人と男性5人)が座っていて、2人掛けの机と2人掛けの椅子で1つのセットになる壊れやすい机と椅子が、2列で縦に5個の机椅子セットが並んでいました。

床は、長方形で、教室に入って右側の壁には、中国全土の地図(横1メートル×縦70センチ)と同じ大きさの遼寧地区全土の地図の2枚が額縁に入れて掛けてあり、左側の壁には中国4000年の歴史上の賢者の言い伝えが、紙上に墨字で心得として書いてある額縁(縦30センチ×横2メートル)が掛けてありました。

私が教室に入ると、開いている席の後ろから2番目の席へ行き、二人掛けの椅子に一人で座ると先生(30代の若い独身風の長い黒髪で、膝上10センチ位の所で丸まった厚手の冬用の白いワンピースを着て、ハイヒールを履いて、気の強そうな美人で少しとっつき難いツンとした女性)が、私の席の横に来て中国語で何か話しかけているのです。

私は、何を言っているのか全く解らずにいると、この教室に入って左側の前から2番目に座っている、一人の女性の生徒が後ろを向いて、私に日本語で言われたのです。

今授業しているのは大きいテキストの方の17課ですと」私は、『ハイ」有り難うございますと答えて、あわてながら材料室で貰った新品のテキスト「大きい方のテキスト」の赤い一冊の本を机の上に出しました。

私に教えてくれたその女性は、これから授業で何回も何回も助けてもらう事になる日本人だと、私は、思っていたのですが、実は韓国人で名前が李さんという女性だったのです。

その女性こそ東京大学大学院に在籍する日本に来て3年半で、日本語ぺらぺら英語ぺらぺら韓国語はもちろん中国語も話せるという才女だったのです。私のこれからの留学において李さんは、中国語学習において私に大きな影響を与える事になる女性だったのです。

そして、私は机の上に出したテキストの17課のページを開いて授業を受ける準備をしました。

 しかし、テキストの内容は全て中国語ばかり、もちろん中を見ると注意書きも中国語で書かれていて、中国語の単語の意味は英語で書かれていて、日本語は一切無し。それに、先生は中国人、中国語で話し、ホワイトボードには、全て中国語の文字が並び、中国語の17課の文章を先生が先に読み、続いて学生が読み、次に学生2人ずつ読んで全員に回るようにその課を読み、中国語ばかり読んでおしまいです。

当たり前ですが、日本語に訳す必要ないのです。日本では、全て日本語に訳していたのにと思いながら聞いていると、先生が皆さんに私を紹介しているようでした。

私は中国語が解らないため、黙って座っていたら、先程の女性の李さんが、後藤さんの自己紹介ですよ、前へ出て下さい、と言われるので前へ出て頭を下げ、唐突な中国語で名前を言いよろしくお願いしますと言いました。その時に学生1人1人名前と国名を私に言ったのですが全く覚えていないと言うのを覚えています。

さて、先生の授業ですが先生の言っている中国語を聞いても解らないけど、ホワイトボードに書くとそうかそんなことかと解るのです。だから、中国語での発音を聞くのが慣れていないせいもあり、聞いても解らないのですが、書かれると漢字を見て意味が解るのです。本当に会話の大切さを、身をもって直ぐに感じた今日の授業でした。

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