空間コンピューティングの小史1
Appleの ヘッドマウントディスプレイ(HDM)型 MR(または AR)機器の発表でザワザワのメタバース業界ですが、興味が出たので簡単に今までの経緯を調べてみました。
メタバースという恣意的な言葉でなく、Appleに倣って「空間コンピューティング」を採用します。
もう少し砕いて言えば、コンピュータが3次元情報を我々に認知させる技術、とも言えます。
その意味でのはじまりは、コンピュータで作図するコンピュータグラフィックに遡ります。
時代は1968年。アイバン・サザランドが、ヘッドマウント型機器を使ってコンピュータによる描画の開発に成功しました。
当時は天井から吊る方式で、昔の伝説を意識して「ダイダロスの剣」と名付けられました。伝説に興味ある方はググってみてください😁
この研究はあくまで、線を描いて立体的にも表現するだけしたが、後世からみたらGUIのはしりかもしれません。
ただ、サザランドはこの研究が終わるとビジネスの世界へいき、これ以上深めませんでした。
ただ、種は撒かれたようで1970年代に入ると、主に医療、フライト シミュレーション、自動車産業の設計、軍事訓練の目的で VR デバイスが開発されていきました。
純粋科学に近い例を挙げると、あのNASAがこの頃にお金と人を集めてバーチャル空間の研究を推進していました。
実は明確な背景があり、ちょうどこの頃にバイキング号が火星に到着した時期で、世界中の関心が集まっていました。
まだまだ有人が行ける目処も立っておらず、リモート作業しか無かったわけです。
といった背景で、David Em を中心に1977 年から 1984 年にかけてNASAのジェット推進研究所(JPL)でナビゲート可能な仮想世界を制作しました。
その成果を実用化させたのがNASAエイムズ研究所のスコット・フィッシャーです。
スコット采配のもとで、1985 年に 最初の仮想現実インスタレーションである VIEW (仮想インタラクティブ環境ワークステーション) が開発されました。
このプロジェクトで多くの人材が育っていき、ついに1990年代から民間ビジネスの花が開いてきます。