不老不死につながる?「テロメア」な話
「不老不死」と聞くと、誰でも目を向けたくなるのではないでしょうか?
勿論、信じる信じないに関わらず興味として。
こんなニュースが流れています。
ようは、
不死の細胞がみつかり「テロメア」がその鍵を握っているかもしれない、
という話です。
「不死」は誤解を招きますが、「不老」または「老化防止」については過去にも取り上げて、その中でテロメアも登場しています。
該当部を引用しておきます。
元々の発端は、がん患者から死後に取り出した不老に見える、通称「ヒーラ」と呼ばれた細胞です。
調べてみると細胞の端(名前の由来)にあるテロメアという部位が長い、ということが分かり寿命(不老不死は語弊があるので使いません)の研究に影響を与えた、という流れです。
染色体内にあるテロメアを図で表すと、下記の部位です。
なぜ寿命に関係あるのかをざっくりいえば、細胞は分裂して成長していきますが、その回数にはある程度制限があり、それを左右するのがテロメアということです。
この回数制限を発見したのは、前回触れたレオナルド・ダ・ヴィンチと同じ名前を持つ、「レオナルド(読み方は時々レナード)・ヘイフリック」という科学者です。(同じ名前に大した意味はないです・・)
ヒトの場合、大体50回であることが知られています。
回を重ねるほどテロメアが命のろうそくの如く短くなっていくから、です。
ということは・・・「これを伸ばせる方法があったら?」となりますよね。
実際これを伸ばす酵素(テロメアーゼ)もあり、ヒトの体内細胞ではあまり活性化していないことが分かっています。
つまり、なにがしかの方法でこれを活性化すれば・・・となります。
実際2015年に、とある女性が「本人合意のもとで」テロメア伸長薬を投与したこともありました。
が、これにはリスクがあることも同時に分かっています。
冒頭記事後半にも書いていますが、テロメラーゼの持つ遺伝子(塩基配列)は、ガンの進行を促進することも分かっています。
そしてもう1つ、今までの実験は実験用マウスで行われてきた、ということでこれがヒトにそのまま有効かは分かりません。
これは通常の薬の開発も同じで、なので実験動物→人への臨床実験、というステップが通例です。
が、寿命に関わることで、相当のサンプルと時間をかけないとその効果を実証できません。
もっと意地悪なことを言えば、寿命は他にもリスク因子があります・・・。
このテロメア伸長薬投与の件も、まだどう評価すべきかは議論が待たれますが、ただ、議論のきっかけをつくっただけでも意義深いことではあります。
最終的には自己責任、といってしまえば楽ですが、まずは自分の人生をどう豊かに過ごすか、に全力投球していきたいと思います。