脳を覗けば思考が読み解ける?
脳科学の進展は、いいようによっては危険な領域に突入しているかもしれません。警鐘を鳴らすこんな記事が掲載されています。
ようは、
脳データを集めることで、その人の思考を読み解けるリスクがあるので、倫理的責任が問われる、
という話です。
過去にも、BMI(Brain Machine Interface)については何度か触れました。
今回は、そのデータ収集×解析能力の進化で、ヒトの倫理的な問題まで問うています。特に、従業員の解雇などの意思決定に使うことを危惧しています。
どちらかというと、今まではSFの世界を実現する夢のような技術、として見てきました。
念じて拡張身体を動かせる研究。
さらには、脳内で描いているものを映像化する研究。
実際に、夢を映像化する研究もちらほらあり、近年ではVRの技術も組み合わせて、夢の世界をあとでVR体験できる、という試みも行われています。
記事内の図を見る限り・・・ちょっと不気味なものが多く、楽しそうとは残念ながら思えませんが、これは見る人側の問題ですね。
正直大人になって夢を見なくなったので(周囲も同じ人が多いです)、夢のメカニズムなども興味があります。
ただ、こういった形で楽しく最新の科学の可能性を触れているだけなら楽しいのですが、思考や夢を読み解くことで、その人の考え方や行動を知る、または場合によっては操作する可能性も秘めています。
冒頭の記事に例示されている映画「インセプション」は、文字通り夢を操って人の思考・行動を操作します。
映像技術が凄いので、その意味ではお勧めです。ただ、やっていることは本当の意味でマインドコントロールです。(ネタバレになるので触れませんが、このノーラン監督はいずれも最新の科学技術をうまく組み込んでいます。おすすめはインターステラー)
ということで、これが悪用されると結構な脅威になることは想像しやすいと思います。
じつは既に、軍用に応用する試みも行われています。
軍事研究なので、こういった記事も氷山の一角だと思います。
やはり、組織内にその用途を糺す倫理担当者の存在は欠かせませんが、最近のレイオフでそれが除かれたという記事も載っています。
これは、最新科学共通ですが、特に脳を読み解くという既存のルールでは想定していないことが出来てしまう時代になっている以上、その価値観の根っこを問う「倫理」が相対的に重要性を帯びてきていると思います。
楽しさだけでなく、悪用リスクも考えながら、常に冷静な脳で接していきたいと思います。
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