火星に「クマ」が出没
何ともほっこりする画像が米国のアリゾナ大学より公開されました。
ようは、
NASAの火星探査機がクマの顔に見えるクレータ跡地を発見した、
という話です。
NASAの火星周回探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」に搭載された「HiRISE」と呼ばれる高解像度カメラが、2022年12月に撮影した画像です。
まぁ、これはあまりにも子供が書きそうなクマなので、にっこりで済むと思います。
逆に言えば、そうでないと物議を醸しだすわけです。
おそらくこの文脈で最も話題になったのは、同じく「火星の人面岩」だと思います。
40代以上の方は「なつかしい!」とこえをあげるのではないでしょうか?
初の無人火星探査機バイキング1号が、1976年に撮影して宇宙人による人工建造物ではないかと話題になりました。
その後の顛末ですが、実は2001年に、より高解像度のカメラを持つマーズ・グローバル・サーベイヤーで撮影された図が公開され、下記となります。
こちらを見ればわかるとおり、普通の自然に出来た地形で人工物ではないとNASAは見解を発表してこの件は静まりました。
ほかにも、下記のような近い事例は惑星では事欠きません。人間が笑った顔に見えるものも以前に見た記憶があります。
このように、目・鼻・口に見える3点パーツがあると人間の顔と思い込んでしまうことをシミュラクラ現象と言います。
もっといえば人間の顔だけでなく、なんとなく自分の知っているパターンを思い描いてしまうことをパレイドリアと呼ばれます。
バイキングのケースは高解像度で幽霊の正体が分かったわけですが、今回は既に高解像度を備えています。(ある意味可愛いクマでよかったです☺)
もっといえば、実は前述のマーズ・グローバル・サーベイヤーをお手本にしたといわれています。
今回のカメラの性能は、大体高度300kmまでよれば、地上0.3m内の解像度を誇るそうで、さすがに昔との差を感じます。
ちなみに、その開発元でありデータ研究を行っているのが、今回の発表組織になるアリゾナ大学の月惑星研究所 (Lunar and Planetary Laboratory)というわけです。
これから解像度がますます高まると、ある意味より人や見知った地形・自然物が見つかるケースが増えそうな気もしますが、今は光学以外に情報を探索できる手段がありますので、マルチな視点と冷静な心を常に意識しておきたいと思います。
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