見出し画像

天体の内部噴射がミステリーを解く?!

最近はやぶさ2のサンプルに、RNAの原料が見つかって宇宙生命起源説がやや盛り返しています。

ただ、以前(下記投稿)にも触れた通り、地球特有の偏ったたんぱく質3次元構造ではなかったので、地球生命起源との因果関係を説明するものではないです。

はやぶさ1・2の共通の目的の1つに、小惑星衝突回避に備えた分析がありました。
将来の衝突に備えてNASAが行ったDART(Double Asteroid
Redirection Test:二重小惑星方向転換試験)と呼ばれるプロジェクトがまさにその計画で、なんと物理的に小惑星に衝撃を与えて軌道を変えてしまおうというものです。

このあたりは過去の紹介記事を引用しておきますので、興味ある方はそちらから。

そして上記記事のあとに実行され「成功」(公式サイトでもそう記載)しました。しかも予想の数倍以上の効果を生んだそうです。

効果とは、シミュレーション「以上に」軌道を大きく変え、どうも衝突時の噴射物が運動を加速させたのではないかと目されています。

この噴射物の正体が地表の固形物なのか、はたまた内部にたまったガスなどかは、追加探査でもう少し明らかになります。

内部のガス説については、もう1つの謎を解くカギにもなっています。

以前に、謎の恒星間飛来物オウムアムア(ハワイ語で「偵察者」)の話を取り上げました。

上記で触れた通り、最大の謎は「人工的にみえる安定軌道(加速度運動)」でしたが、最近それに対して研究成果が発表されています。

ようは、
彗星より小さいため、不自然な加速原因となった氷内の水素ガス噴射が見えなかったのだろう、
という話です。

この仮説を提示したのは、博士論文を取得したばかりの若手研究者ジェニファーです。

出所:上記記事内の図

まず、彗星は惑星と異なり、イメージで言えば雪玉に近いです。そして「ハレー彗星」に代表されるように、噴射物が尾っぽのように確認することが出来ます。

今回のオウムアムアも構造的には同じで、その噴射物も日光で温かくなって氷内に閉じ込められた水素ガスが微量で観測は出来ないながらも噴射し、今回の加速度を獲得した、というモデルを提唱しました。

以前からの有力説を理論的に裏付けた形となりました。
地球外生命体ファンにとってはやや残念な結果ですし、これが決定打かは分かりません。

ただ、科学的にはある程度これで説明はつく形になりそうです。

そして、この彗星モデルが受け入れられると、他にも星間彗星、さらには銀河形成の研究が加速しそうです。

これでわざわざオウムアムアを追いかける(まだギリギリ間に合う)必要はなさそうです☺

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?