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重力は実在しないかもしれない!?

日々の生活でも我々が体感する「重力」。日々のダイエットにいそしむ方は特にこの存在を意識せざるを得ません。

ところが、
「重力は本当は存在せずに創発されたものだ」
という理論を唱える人がいます。

エリック・ヴァーリンデ(Erik Verlinde)という方で、エントロピック重力(Entropic gravity)という理論を2009年に提唱しています。

この方、もともとは超ひも理論の研究者でした。これはこれで万物の理論に近づく野心的な理論なので、過去投稿を載せておきます。

超ざっくりいうと、素粒子は点状でなく2次元以上の広がりをもっており、その振動によって万物が表現される、というものです。

では、そこから転向したのか?というと、つながりもあり、それは「ホログラフィ原理」という、超ひも理論を発展させてできたアイデアです。

こちらもイメージ理解として過去投稿に留めておきます。興味もったかたはどうぞ。

こちらもざっくり書くと、宇宙の3次元情報はそれを囲む二次元にすべて詰まっている、というマジックのような原理です。
今回の文脈にそった話をすると、重力を含む式にとある変換を施すと、重力が含まれない式に置き換えることができます。(数学的に等価)

不思議な話ですが、上記記事でも触れている通り、この原理は多くの論文で引用されており、広く受け止められています。

上記からいえることは、「重力とは創発である」ということです。

ヴァーリンデはそれを応用して、重力という概念を原理的なものでなく、別の原理に基づいて発現する作用、と考えました。

その原理とは「エントロピーの増大則」です。

我々の部屋も、掃除せずに放置すると混沌(ようはぐちゃぐちゃ)になります。この混沌度合いをエントロピーという量で定義し、常に我々の宇宙はこれが増大する方向に向かいます。これは原理です。

で、このエントロピック重力の考え方ですが、我々の時空はすべて「量子ビット」という情報量で計算され、それを基に計算されたエントロピー量を増大させる方向に作用し、その結果が「重力」と我々が定義しているものだ、というわけです。

狐につままれた状態ですが、都合のよいこともいくつかあります。

例えば、宇宙を広範囲にみると、太陽系の外ではニュートン法則(距離の二乗に反比例)に従わないように見える観測結果があり、それを見繕うためにダークマター(暗黒物質)を導入するなどしてきました。

ただ、この理論があると付け足しなくうまく説明ができます。

もちろん、だからといって受け入れられているわけではまだありませんが、最新の物理(量子情報)理論から描いたことも事実です。

なによりも魅力的なのは、宇宙の原理を
「エントロピー増大」
「エネルギー保存」
の2つだけとし、あとはそれを維持するために創発される物理量だ、というシンプルさです。

まだ現時点ではなんともいえませんが、仮に正しいとすると、第二の「コペルニクス転回」といえるほどのインパクトだと思います。


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