植物の歴史と日本の科学者が見つけた驚きの成長メカニズム
植物は、光合成をすることで我々の生命活動においては必須の存在です。
植物といっても多様で、そのうち「被子植物」、つまり種を子房で庇護した植物のゲノム解析が進められています。
ようは、
9,500種以上の被子植物をゲノム解析で進化系統図を作成し、将来の保全活動に役立つ、
という話です。
記事内の下記図がとても印象的です。単に植物(かつ被子型)といってもこんなに多様なことに驚きです。
歴史的には、元々裸子植物が繁栄し、1.4億年前から一気に進化して主要な地位を築いたそうです。この時期はちょうど恐竜が栄える直前(絶滅は7000万年前ごろ)なので、共通の背景があるのかもしれません。
ちなみに、裸子植物は絶滅したわけではありませんが、相対的に極めてその種類が少なくなったそうです。
こちらのサイトがその違いを詳しく説明していたので載せておきます。もし気になる方はぜひ。
この植物について、最近日本人の科学者で200年の謎を解いた方の記事を見かけたので紹介します。
ようは、
植物内の葉緑体やミトコンドリアが活発に動くメカニズムを解明した、
という話です。
ミトコンドリアはもともと独立の生物で植物どころか我々とも共生したことで知られています。過去記事を載せておきます。
これらが細胞内で活発に動くことが200年以上前から知られていましたが、その仕組みが謎でした。
ただ、どうもその活動によって植物の大きさも影響を受けている可能性が高い、という説も出ていました。
1950年代に、細胞内にレールが張り巡られていて、そこを滑るという説が日本の科学者に提唱され、それを発展させたのが上記インタビュー記事の西村氏です。
西村氏は、そのレールをモーターたんぱく質(ミオシンXI)が動いていき、それが上記のミトコンドリアなどを動かしている、という説を提唱して立証し、2世紀の謎を解明しました。
興味深いのが、モーターがレールの上を流動すればするほど、レールそのものが太くなるということです。逆もしかりで、ゲノム編集でこのモーターたんぱく質を欠損させるとレールもおかしくなり、そして結果として植物の成長を阻害してしまいます。
まさに細胞内の各パーツで生命という活動を互助しあっている風景を頭に思い浮かべてしまいます。
植物の内部でこんな絶妙なコラボレーションが起こっているのは神秘としか言いようがないです。
植物の興亡やその内部のメカニズムなど、また面白いことをみつけたら発信してみたいと思います。
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