人類と惑星の進化をたどる「ルーシー」
小惑星探査と聞くと「はやぶさ」を思い浮かべる人が多いと思います。
それに負けじと、この数年NASAが小惑星探査機を打ち上げ計画を進めています。
小惑星の探査目的は、過去に投稿したのでこちらを引用しておきます。
さて、今回取り上げたいのが2021年末に打ち上げられた「ルーシー」です。
記事内にも名前の由来がありますが、これは「人類最古の人類」から取っています。
「アウストラロピテクス」という言葉を覚えてますでしょうか?
私は学生のころ暗記できなくて苦労した記憶がよみがえってきます・・・
当時はこれが最古の「人類」として定義されていました。
ところで、サルからヒトに進化したというのが定説ですが、それを繋ぐ類人猿と呼ばれる「ミッシングリンク」を長年追い求めてきました。
そもそもですが、「何をしてヒトと定義している」のでしょうか?
一言で言うと「直立歩行」です。
その証拠になりうる化石が1974年に、エチオピアで見つかりました。
これが「ルーシー」です。
40%近くの骨が存在しており、明らかに直立していることが読み取れます。
発掘した地層内の鉱物含有量に基づく年代測定法(アルゴン-アルゴン法)によると、大体318万年前ぐらい前の化石と推測されています。
女性の名前がついていますが、骨格から成人女性であることはすでに分かっています。
見つけた考古学者のリーダー名は「モーリス・タイーブ」で、メンバーにも「ルーシー」にちなんだ名前を持つ人はいません。
何故「ルーシー」と名付けられたのか? 日本で言う「花子」のような、一般的な女性名だから、ではありません。
実は、発掘隊は発見した夜にお祝いとして音楽をかけてパーティーを行ってました。
そこでかかっていたのが、当時世界中で話題になっていたビートルズの新曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」で、なんとそこから雰囲気(ノリ?)で「ルーシー」と名付けられました。
誰がその悪ふざけを言い出したのかは今でも「謎」のままです☺
さて、これでルーシーが最古の人類として正式に認定されたかというと、ちょっと雲行きが怪しくなってきました。
実は、21世紀を迎えた2001年に、さらに古い時代の化石が見つかります。
「サヘラントロプス」と呼ばれ、大体700万年前と割り出されています。
大幅にレコードが更新されました。以下に発掘された化石の写真を引用しておきます。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、背骨に繋がる箇所が直立の構成になっていることから、これは直立歩行かもしれないと推測されています。
あくまで現時点ですが、こちらが最古の人類(直立歩行)かも、とされています。
ただ、ルーシーほど確かな証拠ではないため、今回のNASA探査機命名のように、未だに彼女が古代有名人の座を守っています。
そしてルーシーが活躍する舞台は、地球上の人類進化への謎を超えて、惑星の起源に関する謎を追求する現場へと向かっています。
ぜひ謎が解明されたら、今回も遠く離れた地球上で人類皆でパーティをしたいですね。
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