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ブラックホールは宇宙に何個あるの?

この数年での宇宙トピックで最大級の1つが「ブラックホールの画像」ではないでしょうか?
そもそも、ブラックホールは宇宙にいくつ存在するのでしょうか?
そんな疑問への新しい研究成果が発表されました。

4000京」! 多すぎて目がくらみそうです・・・。
しかも記事を読むと、太陽の質量の数百倍以下の恒星質量ブラックホールだけの計算だそうです。

実はブラックホールはその大きさによって下記の3種類タイプがあります。

  1. 太陽のような自ら光り輝く天体「恒星」と同じぐらい(〰太陽の数十倍)の重さを持つ「恒星質量ブラックホール

  2. 恒星の数十万〜数百億倍もの重さを持つ、「超大質量ブラックホール

  3. 1と2の中間にあたる「中間質量ブラックホール

歴史的には初めに1が見つかって、観測技術の発展とともに3のタイプが続々と見つかりました。画像化に成功したのも2にあたり、実に太陽の65億倍です!

EHTによって観測された「M87」に存在するブラックホール。 出典:EHT Collaboration

このボス級の超大質量ブラックホールは各銀河の中心に存在することもわかってきています。実は画像化の最終候補の1つは、我々の天の川銀河中心にあるものだったりします。
もっといえば、2020年のノーベル物理学賞はその観測を行った2つのチームに与えられましたね。(加えてブラックホール理論研究のペンローズも)

さて、それに比べたら可愛い(?)「恒星質量ブラックホール」ですが、ざっくりとレシピを書いてみます。

そもそも太陽など恒星は全体が高温のガスからなる天体で、その中心では水素を燃やしてヘリウム元素を形成する「核融合反応」が起きています。その反応で太陽も光り輝き地球にそのエネルギーを分け与えてくれます。

同時に、恒星自身の重力に押しつぶされない作用にも貢献してます。
ただ、いずれは水素が尽きたり生成元素が重くなりすぎると、星が自身の重力に負けてしまう「重力崩壊」という現象が起こります。

すると、負のスパイラルで周辺のガスがどんどん中心に吸い込まれていき、星の「中心核」の密度が急激に高くなると、集まったガスが跳ね返されて大爆発を起こしてしまいます。

これを「超新星爆発」、英語でスーパーノヴァ(Super Nova)と呼びます。そこからは質量によっていくつかの形態があり、太陽の20倍以上の質量をもっていると「恒星質量ブラックホール」が出来上がります☺

余談ですが、超新星爆発はめちゃくちゃ発光するので、目視でも見ることができます。
有名な話ですが、11世紀に藤原定家が書いたとされる「明月記」に、この天体現象が書かれています。「天体を見るのは過去を見る(光が地球に届く)」ことなので、二重の歴史が垣間見えて面白いですね。

冒頭の話に戻すと、この恒星質量ブラックホールの研究は、ボス級の探究を目的としたもののようです。(元記事はこちら
というのも、ボス級のレシピは未だあいまいで、一説には恒星質量ブラックホールが合体して大きくなったのでは?というものもあります。
今回の数を聞くと、「さもありなん」と思う一方で、スケールが違いすぎてそれだけで出来るのかな?・・・とも感じます。

あぁ、ブラックホールの謎は深すぎます。だからこそ楽しすぎます☺
今後もこのテーマはWatchしていきたいと思います。

<参考記事>

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