自動運転とAIの進化系統について
最近の国内社会課題で目立つのは「タクシー不足問題」です。
どういった解決策を選ぶにせよ良し悪しがありますが、科学技術の観点でいえば「自動運転(ドライバー不足解消として)」が思い浮かびます。
実際に、各地で実証実験は進んでいます。
自動運転の実現は各メーカーがしのぎを削っていますが、ある程度の原理は足並みがそろっています。
ただ、EVで有名なTeslaだけはやや独自色を出して開発を進めています。
何が独自かというと、大きく2つあります。
1.周囲を認識する目の機能に(LiDARでなく)カメラを選択
2.自動運転の学習用に専用Tipから開発
1のLiDARとは、ようは「レーザー光の反射で認識する」仕組みです。
ほぼ常識的にどのメーカーもこれを採用したのですが、Teslaは通常のカメラを選択しました。このあたりは過去にも投稿したので興味ある方はどうぞ。
この判断の背景に興味があったのですが、どうもコロナ禍でマイクロチップが調達できなくなり、生産を停止するかカメラにきりかえるかで、最後はイーロン・マスクの独断だったことが最近発売された伝記(66章 ビジョンのみ)で分かりました。
そして2つ目。
通常は自動車メーカーなのでその自動運転を学習するエンジンは外部調達すると思います。
ところが、その半導体チップから自前で内製しよう、というのがテスラの選択でした。
上記の伝記本でも触れてますが、イーロンの名言「要件には従うな」「物理法則に従え」を体現した例かなと感じます。
その自動運転用チップは「Dojo」と呼び、最近こんな記事も出ていました。
ようは、
DojoはChatGPTのようなブームをテスラ(イーロン)は期待しているが、それと自動運転は性質が異なるよ、
という話です。
補足します。
「ChatGPTと異なる」はあくまでテキストによる予測で、現実世界はインタフェースが多岐にわたるため、LLM(大規模言語)のようにデータが増えたら賢くなる、という不思議な現象が当てはまるかは分からない、ということです。
現時点ではなかなか良し悪しを論じにくい段階ですが、Dojoが車の自動運転以外に応用される可能性は高いと思います。
その1つですでにDojoで学習を進めているのが人型ロボットoptimus(Tesla Bot)です。最新映像が2023年5月に公開されています。
なかなかバラエティが広がっているのが感じられますね。
人型(アンドロイド)も自動車(完全自動運転)もそのエンジンは共通仕様にしています。つまりもしかしたら、車と人それぞれの学習がお互いを磨き合っているのかもしれませんね。