今週はノーベル賞ウィークです
遂に、本日10月2日から2023年のノーベル賞が発表されます。
各メディアが毎年予想を立てます。年間で最も自然科学に関心が寄せられる時期かもしれませんね。
昨年の受賞内容は、こちらでも取り上げました。
そして、上記で例示したNHKもそうですが、毎年誰が受賞するかといった予想で盛り上がるわけです。
色々な国内メディアを見ていくと、日本人についてはある程度似た予想も見受けられました。
ここでは過去10年間の日本人の受賞歴を眺めて楽しんでみようと思います。(参考 Wiki)
ちなみに、自然科学分野(生理学・医学、物理学、化学)に絞ってますが、それ以外での受賞は、平和賞で佐藤栄作(当時日本国首相)、文学賞で川端康成・大江健三郎の二人のみです。経済学賞はまだ一人もいません。
2012 山中 伸弥 生理学・医学賞
成熟細胞が、初期化され多能性を獲得し得ることの発見
2014 赤﨑 勇・天野 浩・中村 修二(厳密には米国籍) 物理学賞
明るく省エネルギーの白色光源を可能にした効率的な青色発光ダイオードの発明
2015 大村 智 生理学・医学賞
線虫の寄生によって生じる感染症に対する画期的治療法の発見
2015 梶田 隆章 物理学賞
ニュートリノが質量を持つことの証拠であるニュートリノ振動の発見
2016 大隅 良典 生理学・医学賞
オートファジー(自食作用)の仕組みの発見
2018 本庶 佑 生理学・医学賞
免疫を司る細胞にある「PD-1」という新たな物質を発見
2019 吉野 彰 化学賞
「リチウムイオン電池」を開発
2021 真鍋 淑郎(厳密には米国籍) 物理学賞
二酸化炭素の温暖化影響を予測
ノーベル賞にはいくつかルールがあり、大きなところでは存命者に限定されます。
但し、回数は限定されておらず、実際に過去何度も受賞した方もいます。
3回受賞した人は今のところいません(平和賞では赤十字)
2回受賞した人は投稿時点で5名おり、簡単に並べておきます。
マリ・キュリー (1903年に物理学賞、1911年に化学賞)
ライナス・ポーリング (1954年に化学賞、1962年に平和賞)
ジョン・バーディーン (1956年と1972年に物理学賞)
フレデリック・サンガー(1958年と1980年に化学賞)
バリー・シャープレス (2001年と2022年に化学賞)
シャープレスについては興味深かったので過去取り上げたこともあります。
そして今年、もしかしたら日本人から6人目が生まれるかもしれません。
日本のメディア予想で、少なからず登場するのが、過去受賞歴もある江崎玲於奈です。
1973年にノーベル物理学賞を受賞したときは、半導体のトンネル効果への業績についてでした。
現ソニー勤務時代に、トランジスタの不良品を調べていく過程で偶然ゲルマニウムがとある条件下(のちにエサキダイオードと呼称)でトンネル効果を生むことを発見しました。
今でこそ珍しくなくなりましたが、日本では民間初の受賞者だと思います。
今でも江崎氏の基礎研究成果は今の科学の発展に大きく寄与しており、今話題の量子コンピュータや次世代通信(6G)の分野にもつながっています。
その中で、今回二度目の受賞が期待されている研究成果は、同じく半導体分野の「超格子」への研究成果です。
投稿時点で江崎氏は98歳、日本のノーベル受賞者としては最高齢です。
ぜひとも再受賞の吉報を待ちたいと思います。
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